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The ABC of 2NL, part 5: Open-Raising Charts for Early Positions

アーリーポジションからのオープンレイズチャート

前回の記事では、ハンドのプレイしやすさを考慮しつつ、ポジションの重要性について語りました。続く今回の記事では、最初の4つのポジションのオープンレイズチャートを、それぞれどのような意図でレンジを構築したかの説明とともに提供します。

以下のチャートはいくつかの仮定に基づいていることに注意してください。

  • ボタンと自分までの間に空席がないこと
  • 自分の番まで誰もオープンレイズしていないこと
  • 自分と、プレイに残っている人間の平均スタックが100bbであること
  • 相手はアンノウンの、平均的2NLプレイヤーであること

 

記事中で使われる様々な略語

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それでは、前提と略語を把握したら、最初のハンドマトリクスを確認しましょう。ブラインドがポストされて最初にアクションをするプレイヤーのためのオープンレイズチャートです。

 

UTG(ボタンから数えて6人目)

TT+,AK(3.5%)

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メモ:マトリックスの各ハンドの右下に付いている小さい数字は、そのハンドの組み合わせが何個あるかを示しています。ポケットペアは各6コンボ、スーテッドハンドは各4コンボ(例えばAKsなら、スペート・ハート・ダイヤ・クラブのAKの4パターンだけしか無いということです)、オフスートハンドは各12コンボです。スターティングハンドの種類は全部で1326パターンで、例えばAAなら6コンボで、それは全体の0.45%でしかありません。それに対しAKs+AKoは16コンボあり、AKは全体の1.2%になります。

これを見た多くのプレイヤーは、「UTGで95%もフォールドするの?バリューを逃してるよ」と思うかもしれません。彼らの意見が的を射ていることは事実です。

しかし、思い出してください。この記事では、私は初心者がトリッキーな判断をすることなしにお金を稼ぐ方法を教えたいのです。UTGでフォールドをしすぎるくらいのほうが、それを達成できるのです。

UTGで超タイトなレンジを私がおすすめする理由は、まだ8人のアクションが残っていて、コールされたり、リレイズされたりする可能性が高いからです。もしあなたが本当のモンスターハンド(QQのようなハンドならフロップでオーバーペアになりやすいし、それ以上発展しなくてもショウダウンで勝っていることが多い)を持っているなら、そうされてもいいかもしれません。

しかし、UTGから88のようなハンドでオープンし、ポジションのある相手2人にコールされたらどうなるでしょう?それでフロップがK96ttだったら、負けていると感じるのではないでしょうか。CBを打つのが標準だとしても、相手2人のうちどちらかはフロップでコールしてくるでしょう。こうなると、20cのポットで、自分はOOPでサードペアを持っていて、もし相手がこちらより良いペアや、それどころか単にドローだけだったとしても、突然もうどうしたら良いかわからない状態になってしまうでしょう。大抵の場合あなたはチェックフォールドしてしまい、とても効率よく10bbを捨ててしまうだけになります。

私のUTGレンジは、フロップで自分が勝っているかどうかがわかりやすいように作ってあります。TT+,AKのレンジなら、フロップでオーバーペアやTPTKになりやすいし、時にはセットも作れます。最悪でもあなたは「ナッツエアー(Aハイ+Kキッカー)」を持っており、何らかのバックドアドローがついていることもあるでしょう。

平均的2NLプレイヤーとポットを争う場合、オーバーペアやTPTKはナッツのように扱ってもいいことが多いでしょう。つまり強くベットを打てます。もし相手が情報を送ってきたら(レイズしてきたら)、負けているでしょう。

 

UTG+1(ボタンから数えて5人目)

99+,AQs+,AKo(4.2%)

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UTGのレンジとそれほど変わりません。99とAQsが追加されただけです。この理由は、わずかにコールやリレイズされるおそれが減ることによります。もちろんごくわずかですが。

後ろにまだ7人残っており、彼らのうち少なくとも一人はこちらより良いハンドを持っている可能性が高いです。コールされるとOOPになってしまうことが多く、特にフロップが当たらなかった場合に、相手をバリュータウンに連れて行けるかどうかが不明瞭になってしまいます。

注意して欲しいのは、ここからAQsでオープンし、3BETされた場合には、マニアックプレイヤーに対してを除き、フォールドするのが正しいプレイになるということです。EPにいるこちらと争おうとする相手のハンドというのは、大抵の場合強いハンドを持っていることを示しており、しかもコールでなく3BETであれば、それはモンスターハンドを持っていることを示しています。

2NLの典型的な3BETレンジはQQ+,AKです。AQsはこのレンジにドミネイトされており、たとえフロップでQをヒットしてもQQ+には負けているし、Aをヒットしたとしても、AK/AAに負けてしまいます。そして相手がKK/QQだった場合にフロップでAがヒットしても、それほど支払ってはくれません。

そのため、AQと言うのは、OOPの3BETポットではあまりバリューがないのです。3BETされた場合にどうするかは今後の記事で書きますが、基本的に多くの場合は、EPではQQ以下はフォールドすることになります。プリフロップで小さい損失を受け入れ、その代わりにポストフロップの大きい損失を防ぎましょう。

PSOのトレーニングセッションでよくある質問に、「EPでスモールペアが来た場合、オープンレイズをしたほうがいのか、それともリンプすべきか?」というものがあります。これへの私の答えは、どちらもNOです。

私はトラッキングソフトを使って、2NLのEPでスモールペアをプレイすることがどれだけ避けるべきなのか、調査を行いました。オープンリンプは微妙に-EVで、これはアイソレートレイズを受けた場合にフォールドしなければならないことが多いからということと、リンプでフロップを安く見た場合に、ショウダウンの時にポットが小さいということが理由でした。

例えばEPで44をリンプし、A74のフリップでチェックレイズをした場合、こっちがセットをもっている、ということが相手にまるわかりになってしまいます(無料バージョンのNoteCaddyで、相手がどんなハンドでリンプしてるかを自動記録させることができます。これのおかげで私はセットマインされてフロップでチェックレイズされた時の、かなりのお金を節約することができました)。

TheLangolierがいうように、弱いベットは弱いハンドを示しています。リンプは弱さの現れです。もしハンドがプレイするのに十分な強さなら、レイズするのにも十分な強さである、ということです。

ただし、私のデータによると、2NLにおいてEPからスモールペアをオープンレイズするのはかなりの-EVです。オープンレイズとCBに使うお金を埋め合わせるのに十分なほどのセットは引けないのです。アンダーペアで、ペア全てとドローでコールするようなコーリングステーション相手にCBを打つことは、単にお金を捨てるようなものです。リンプやオープンレイズをせずに、お金を節約しましょう。スモールペアでは単にフォールドすればいいのです。

 

MP1(ボタンから数えて4人目)

88+,AJs+,AQo+,KQs(6.2%)

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この席は「ミドルポジション1」と言われるけど、私はこのポジションはまだアーリーポジションだと思っていいと思います。だからそれに応じてレンジもタイトになります。

フルリングの最初の3人は、「フォールド」という規則に多く従わなければなりません。もしMP1からAJsやKQsより弱いハンドでオープンすると、度々トラブルに巻き込まれるでしょう。6人がまだアクションを残しており、コールされた場合、ポストフロップでOOPになる確率も高いです。

ここで気づいて欲しいことは、私が最初の3人の時にオープンするハンドの多くは、フロップで良いペアかナッツドローを作るものである、ということです。2NLのプレイヤーはしばしば、Aさえあればフロップではコールします。だから、AJsはこのポジションでは利益的なハンドなのです。AJsを持って、A95rのようなボードでは3ストリートでバリューを取れないことは多いと思います。しかし相手がATのようなハンドを持っていればペイオフしてくれることも多いでしょう。

またここで気づいて欲しいのは、ここでオープンするハンドは、いろいろな勝ち方ができるハンドだと言うことです。ブロードウェイストレート(A-T)はショウダウンでよくある勝ち方です。もしあなたがAQをKJTのボードで持っていた場合、たびたび相手のAKや、KJのようなツーペアをスタックすることができるでしょう。

さらに、スーテッドであるということもハンドにバリューをもたらしてくれます。スーテッドAはナッツフラッシュを作ってくれます。フラッシュはストレートよりもわずかに作りづらいとはいえ、AJsはAJoよりも、フロップでフラッシュドローを作り、プレイアビリティを高めてくれる分、強いと言えます。

これに加えて、コンボドローが引ければ、アグレッシブにプレイすることができます。例えば、KhQhを持ってフロップがJhTc6hだった場合ストレートとフラッシュへのアウツは15枚あり、また相手のJxに対してはKとQの6枚もアウツになります。

あなたは驚くかもしれませんが、フロップのこの段階では、KhQhは文字通りKハイしか無いにもかかわらず、フロップで全スタックをつぎ込むなら、相手のKsKcやAcJdに対してもフェイバリットなのです。

 

MP2(ボタンから数えて3人目)

77+,ATs+,AJo+,KJs+, KQo(9%)

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MP2は、ボタンにより近い位置となってくるので、少し広くオープンできます。まだそれでも90%以上はフォールドすることになりますが、77とスーテッドA、スーテッドK、オフスートブロードウェイがレンジに加えられています。

KQoは2NLだと若干オーバープレイになるかもしれませんが、それでも相手の弱いKxをドミネートしていることと、EPにいる時と比較してマルチウェイポットになりづらいことを考慮すれば、このポジションからオープンできる強さを持っています。

後ろに残っている5人のうち、ポストフロップであなたに対してポジションがあるのは3人だけです。AJやKQを持ってOOPでLPのコーラーと戦うことはそれほど怖いことではありません。なぜなら、相手のレンジが比較的弱いからです。

もしヘッズアップになれば、ドライボードでCBを打つだけでポットを取れることも多いでしょうし、TPGKを作って弱いハンドからバリューを取れることも多いでしょう。

 

上記4つのチャートは、あなたがプリフロップでの相手のレンジを推測することの役にも立つでしょう。たしかにほとんどの2NLプレイヤーはこれよりも幾分ルースにプレイしますが、まずはニットやTAGの相手がこのチャートでプレイしているとあてはめてみるところからやってみましょう。

例えばですが、ニットがUTG+1でオープンしてきたなら、相手はおそらくKJoのようなハンドは持っていないと考え、だからあなたがKJoを持っていた場合、それでポットに参加するのは+EVではない、ということです。

ハンドレンジについては、かなり長い記事を今後書くつもりです。次回の記事では、より利益を出せるポジションについてのレンジを公表します。オープンレンジに多くのバリューハンドや「ドローハンド」を加えるだけでなく、ブラインドをスチールするためにかなり弱いハンドでもオープンしていくことになります。

た、デスクトップに表示させて参照しながらプレイできるように、レンジ表を全部結合して1枚の画像にしたものも作る予定です。ではまた次回。タイトイズライトの精神を忘れずに!Good luck!

 

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元記事 The ABC of 2NL, part 5: Open-Raising Charts for Early Positions(2013/4)
https://www.pokerschoolonline.com/blogs/ArtySmokesPS/The-ABC-of-2NL-part-5-Open-Raising-Charts-for-Early-Positions