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The ABC of 2NL, part 6: Open-Raising Charts for Later Positions

レイトポジションからのオープンレイズチャート

前回は、EPからオープンできるハンドについて見ていきました。前回のレンジは実際、かなりタイトなものです。今回の記事では、もっとルースになりましょう。

EPのプレイヤーは既にフォールドしている状況なので、後ろに残っている人間は少なくなります。勝てば良い人数が少ないので、ポットに参加するのにそれほど強いハンドは必要ありません。これは、6maxでは9maxよりもルースにプレイする理由と同じです。次に紹介するポジションは、ざっくり言ってしまえば6maxのMPと同じポジションです。

※全てのポーカーゲームは基本的にはブラインドをスチールするゲームであるというのは、ある程度本当のことです。他の8人のプレイヤーが同じことを狙う状況では、更にスチールは難しいでしょう!レイトポジションでは、その狙いを達成するチャンスがより多く存在します。ただし、9maxのゲームでは、6maxのゲームのように必死でブラインドをスチールしにいく必要は減少します。それに対し6maxでは、ブラインドが9maxより多く回ってきて、ハンドをじっと待ち続けていることもできません。

 

MP3(HJ), ボタンから数えて2人目

66+,A8s+,ATo+,KTs+,KJo+,QTs+,JTs,T9s(13.4%)

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MP3は、ハイジャックと呼ばれることもあるポジションです。COとBUが弱いハンドでブラインドスチールするチャンスを待ち構えている時に、彼らの前でオープンしてそのチャンスを奪い取り、彼らはその弱いハンドを捨てるしかなくなるからです。

ブラインドをすぐに勝ち取れるわけではありませんが、多くの場合に、「ボタンのポジション」を「スチール」できます。HJからオープンレイズすることは、ポジションをハイジャックし、ポストフロップでの最高のポジションを奪い取ることなのです。

しかし、私はHJからクレイジーに広いレンジでオープンしたくはありません。LPの相手が本手を持ってはいけないという決まりはないからです。もし彼らにリレイズされると、多くのハンドをHJではフォールドせねばなりません。その理由は、OOPでポットをふくらませたくないからです。ハイステークスでは、プレイヤーはボタンから多く「リスチール」をするわけですが、2NLでは、ほとんどの3BETはモンスターハンドでのバリューレイズです。

HJでは、フロップで良いドローとそこそこのトップペアを作れる強めのスーテッドコネクタをプレイできるようになります。JToはここからはプレイしません。しかしJTsはかなり良いハンドです。JTの2枚を使ってストレートドローを作る場合、常にナッツストレートドローになるし、JTsは多くのボードとマッチします。ですので、ペアすら出来てなくても、1発または2発打てる程のエクイティができることがしばしばあります。

私はまた、いくつかの「トラブルハンド」もオープンレンジに含めています。初心者がオーバープレイしがちなハンドです。多くの「トラブルハンド」は、フロップトップペアを作りやすく、しかしキッカーが弱いハンドです。

たとえばAT,KJ,QTsなどで、これらのハンドを私は「2ストリートハンド」であると考えるようにしています。私がバリュータウンについて書いた時に、バリュータウンとは3ストリートでポットにお金をつぎ込んでショウダウンで支払ってもらえる場所であるというように書いたことを思い出してください。

「2ストリートハンド」は、聞いたことがあるかもしれませんが、2つのストリートでしかお金を入れたくないハンドです。私の経験上、もしあなたが平均的キッカーのワンペアを持って3ストリートでポットにお金を入れた場合、大きいポットを落とすことになるでしょう。

一般的に言って、これらの「トラブルハンド」では、最低でもトップ2ペアにならなければ、どこかの1ストリートでチェックを挟んで、ポットコントロールすべきです。例えばKJを持っていて、ボードがK8592ttだった場合などに私がよく取るラインは、フロップベット、ターンチェック、リバーベットです。

このベット-チェック-ベットのラインはフィッシュの取るラインのように思われています。なぜなら何もハンドを持っていないように見えるからです。スタンダードなCBを打ち、ターンで諦めて、ブランクのリバーでスタブベットを打ったように見えます。

このラインを取ると、相手はこちらがブラフを多用しているように見え、特にベットが小さければ、Aハイの様な弱いハンドを持っているように思うでしょう。

私はフロップでトップセットになってベットして、ターンでクアッズになった場合、同様にチェックします(スロープレイするレアケース)。そして相手がろくなハンドを持っていないと知っていても、リバーで小さめのバリューベットを打ちます。このフィッシュ風なベット-チェック-ベットのラインで、相手はこちらがJハイくらいしか持っていないように見てくれます!このクアッズのプレイは良かったと思います。

今後ポストフロップについての記事を書くときに、私はいくつか気になったハンドについてリプレイをお届けするつもりでいます。それを見てくれれば厚いバリューを取りに行く時とポットコントロールをする時の違いがわかるでしょう。しかし、今はまずLPのプリフロップ戦略を続けて学びましょう。

 

LP1(CO), ボタンから数えて1人目(ボタンの右隣)

22+,A2s+,A7o+,K8s+,KTo+,Q9s+,QJo+,J9s+,T8s+,98s,87s,76s(24%)

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一つシートが隣にずれただけなのに、オープンレンジが倍近くになりました。一体何が起きたのでしょうか?

COは、ほんとうの意味で広くオープンができる最初のポジションです。ここからオープンする場合、ブラインドをスチールすることが主な目的となりますが、コールされた場合にもある程度のエクイティがあります。このレンジは「プレイアビリティ」が高いハンドに偏って構成されています。

あるハンドはハイカードとしてのバリューを持ち、またあるハンドはフロップで良いドローになったり、ナッツを作ることすらできます。

ここにはいくつかのゴミハンドも含まれています。A7oはせいぜいマージナルハンドとしか言えませんが、トップペアを作って、コールしてきた全てのポケットペアやこれより弱いAに勝つことはできます。小さいポットを取れるくらいのエクイティは持っており、前述した「トラブルハンド」と同じようにプレイをすることはできます。

ポケットペアについて言えば、ここからは22までの全てのポケットペアをオープンすることをおすすめします。めったにフロップでセットは作れないでしょうが、それでもAハイに勝つことはできます。CBをIPでブラインドに対して打つことは高い確率で成功します(88を持ってKJ5のボードでCBを打てば、99,TTを降ろすことも可能)が、もしアンダーペア以上にならなければ、ショウダウンまで行くのは難しいでしょう。

もしQ72のようなボードで2のセットを作ることができ、KQを持った相手はこちらがプリフロップでレイズしているためにボトムセットを読めなければ、わずかなアウツを引かれない限り、ビッグポットを取れるでしょう。

このレンジには全てのスーテッドAも含まれています。A7oの様なラグAでは、フロップでトップペアを引き当てても、大きいポットにはしたくないでしょう。ほとんどのプレイヤーの考えと反するかもしれませんが、私はフロップでトップペアを作るより、ナッツフラッシュドローを作りたいです。なぜなら、ドローをミスした時にチェックフォールドやチェックビハインドしやすいからです。これに対し、トップペアをフォールドすることは、相手に対する正確な読みと判断力が必要となるからです。

76sまでのスーテッドコネクタと、いくつかのワンギャップスーテッドコネクタもまたレンジに入れました。T8sのようなハンドはフロップに激しくヒットすることはそんなに多くありませんが、例えばハンドがT8sでボードがQ96のような、わかりづらいストレートドローになり、相手にペイオフしてもらうチャンスを作ってくれます。このような形を「ダブルベリーバスター」のストレートドローと言い、8アウツあります。

もしターンでJか7が来たら、相手はこちらのストレートは読みづらいでしょうし、相手がツーペアやセットを持っていれば、スタックすることも可能です。

 

LP2(BU),ボタン

22+,A2s+,A2o+,K7s+,KTo+,Q8s+,QTo+,J8s+,JTo,T8s+,97s+,87s,76s,65s,T9o(32.7%)

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ついに、このゲームで一番有利なポジションです。他の誰がポットに参加しようとも、BUにいるのならポストフロップでは常にIPです。だからこのポジションはブラインドをスチールするのに最適なのです。

2NLでは一般的に、BUのあなたにアクションの順番が来るまでに複数のリンパーがいることがあります。上のチャートのほとんどのハンドで、あなたはアイソレートレイズをすることができます。リンパーが一人なら4bb、二人なら5bbにレイズしましょう。

しかしながら、リンパーがリンプ/コールを75%以上するコーリングステーションの場合は、このレンジの中でも「トップペアハンド(2ハイ、ハイペア)」のみでアイソレートをすべきです。なぜなら、ほとんどの場合にフロップを見ることになるだろうし、その場合に、ポストフロップを安全に戦うにはフロップでヒットする必要があるからです。

相手はコーリングステーションなので、ドローハンドなどでブラフするのはあまり良くありません。ルースパッシブプレイヤーをアイソレートするのに、私の場合、2枚ともが8以上のハイカード系をつかいます。A9、QT、T9s、K9sなどが良いでしょう。ただ、もしリンパーがナッツフラッシュ狙いとセットマインをするだけならば、こちらのハンドはなんでも構いません。アイソレートし、フロップで必ずCBを打ちます。もし相手がセットかナッツフラッシュドローを持っていなければ、フォールドするでしょう。

その他の、レンジ内の下位のマージナルハンドでは、オーバーリンプしてマルチウェイで安くフロップを見に行くのもいいと思います。リンプする時に注意して欲しいのは、COより前のポジションでリンプやオーバーリンプをすることは、-EVのプレイであるということです。

ですが、例えばBUにいて65sや55を持っていて、ポットに既にリンパーが2人いるような場合などは、オーバーリンプも悪くはありません。もしフロップで激しくヒットしたら、ポジションを利用してポットを大きくすればいいし、ドローになったのであればチェックビハインドしてフリーカードをもらいましょう。マージナルなハンドはSPR(stack to pot ratio,スタック:ポット比)が高い時に利益になりやすく、リンプポットはまさにその状況です。

1,2人のリンパーに対して、私は弱いオフスートハンドはフォールドします。なぜなら2NLのリンパーは、たびたびミドルキッカーのAでリンプしてくるからです。もしあなたがA5oでオーバーリンプした場合、A6oのオリジナルリンパーにバリュータウンに連れて行かれたらかなり辛いでしょう。

もしBUまでフォールドで回ってきた場合は、チャートのハンドできちんとレイズしてください。私が作ったBUのレンジは、ハンド全体の約33%と広いです。私のような典型的なTAGは、全体ではほんの14%のハンドしかプレイしませんが、BUからはその2倍以上のレンジでレイズします。この理由は単純で、2NLフルリングではほとんどのブレイヤーがブラインドを守らないからです。

ポーカースターズでは特にニットが多く、その理由のうちの一つはPSOではとてもタイトな戦術を利益的と教えており、その出身者が多いからかもしれません。上のチャートでは33%のオープンを推奨していますが、ブラインドのプレイヤーがニットであるとわかっているなら、もっと広いレンジでスチールします。

私の経験上、BUからのスチールは50%以上の確率で成功し(下のほうの画像を見て下さい)、そうでない場合フロップを見ることができます(3BETされなければです。その場合フォールドすることが大半です)。ですので、ブラインドにコールされた場合のためにも、ある程度フロップでのエクイティがあるハンドでオープンしたいのです。

BUのオープンレンジには65sくらいまでの多くのスーテッドハンドが含まれています。これより下では私はレイズをしたくはありません。なぜなら、54sのようなハンドはストレートやフラッシュを作れても、多くの場合にはナッツにならないからです。

もしボードが678でハンドが54だった場合、あなたの持っているのは「愚か者の」方のストレートで、相手がT9を持っている場合にはたいていスタックされてしまいます。

T9oについて話すなら、これはボタンからオープンする最低レベルのハンドです。T9sよりもプレイしづらく、しかしブラインドがコールしてくるような88や77には勝てるし、ストレートドローになることもあります。これはつまり、フロップにハイカードが落ちた時だけでなく、ペアやドローができることによって、ミドルカードが落ちた時でもCBを打ちやすいということです。

BUからは全てのブロードウェイハンドと全てのAでオープンレイズができますが、それらのハンドは「トラブルハンド」でもあるということを忘れてはいけません。このチャートの多くのハンドでは、最低でもトップ2ペア以上にならない限りは大きいポットを作ってはいけません。QJ,K9s,J8sのようなハンドでワンペアができた場合は、ポジションを利用してポットコントロールをしましょう。

特に、ブラインドからタイトなレンジでプレイする相手には注意です。BUのワイドなレンジは、フロップでこちらのレンジにマッチしたカードが落ちない限り、彼らのタイトなレンジには、負けています。

 

SB(スモールブラインド)

22+,A2s+,A2o+,K5s+,K9o+,Q7s+,QTo+,J8s+,JTo,T8s+,98s (32.4%)

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9maxのテーブルでは、SBからオープンレイズできる機会は殆どありません(たいてい、一人はリンパーがいるからです!)。しかし、自分までフォールドで回ってくれば、ブラインドをスチールするチャンスです。なぜならあなたを阻む相手はもう一人しかいないからです。

私が推奨するこのレンジはBUとほぼ同じくらい広いものですが、構成は微妙に異なります。BUでは、ポストフロップが発生してもポジションを活かせるため、65sのようなハンドでスチールをしました。

しかしSBでレイズしBBにコールされてしまうと、我々はOOPでプレイしなければなりません。ですので弱いスーテッドコネクタをプレイしたくはありません。ブラインドバトルではしばしば、ワンペア同士の対決になるため、スーテッドコネクタよりもハイカード系でプレイしたいのです。

もしボトムペアやストレートドローで、3ストリートでベットを打てば、BBはたいていプリフロップを2ブロードウェイやミドルペアでコールし、リバーまでついてきて、あなたは負けてしまうでしょう。ブラインドバトルではあなたのCBの成功率はかなり低くなります(彼らはあなたのハンドを信用しません)。これがブラインドバトルでポットにお金を入れるときにトップペアを持っていることが重要な理由です。

この場合K5sよりK9oでオープンレイズするほうが優れているのかもしれませんが、私はトップペアを作った時にバックドアフラッシュのバックアップがあるスーテッドの方がプレイしやすいと思っています。

もしあなたが2NLでこのように弱いハンドでスチールできることがまだ信じられないのならば、以下の画像を確認して下さい。これは私の2NLフルリング100KハンドにおけるCO,BU,SBでのスチール成功率です。

 

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配られたハンドの半分以上で利益的なプレイを出来ていることがわかると思います。この夢は、SBのあなたまでフォールドで回ってきた時に現実になります。私がSBから55%以上スチールしていることに注意してください。ハンドの55%でレイズすることはマニアックのように思うかもしれませんが、私がこんなに多くスチールする第一の理由は、フルリングにニットが多いからなのです!

SBからスチールすることは、2/3の確率で即座に利益となります。これはお金が落ちているようなものです。私がSBのレンジとして提示したチャートには、32%のオープンとなっていますが(そしてこのチャートはアンノウンプレイヤーに対してのプレイのものです)、もしあなたがニットプレイヤーの右にいるなら、ブラインドバトルでエニハンでスチールすることが可能なのです。

BUでは、37%スチールを試みて、50%以上成功しています。しかし、まずブラインドの二人についてスタッツが貯まるまでは、オープンレンジを拡張しないほうが良いでしょう。私はかつて、COからは推奨のレンジよりも狭くプレイしていました。

このリークに気づいたのは最近で、トラッキングソフトによると、COからのスチールが45%も成功していることを発見し、オープンレンジが19%ではスチールのチャンスを多く逃していると思い、ここで提示した24%のレンジを検証しています。私がこんなにスチールに成功している理由の一つは、他の人が私のスタッツのVPIPだけをみて、私がかなりタイトだと思っていることかもしれません。

私はトータルでは14%のハンドしかプレイしておらず、ショウダウンまで行けばナッツに近いハンドを持っていることが大抵です。もし私がいくつかの大きいポットをAK,QQやKJsでのナッツストレートをショウダウンして勝ってたら、相手は私がBUにいる時も同じ様なハンドでレイズしてると考えるでしょう。そのため、私のLPでのレイズはリスペクトされるのです。

もしあなたが常にナッツを持っているようなタイトプレイヤーとみなされたら、相手はこちらがBUからT9oや65sでレイズしているとは決して思わないでしょう。そして通常より多くブラインドでフォールドしてくれるのです。

私のアンバランスなレンジは他の場面でも有効に作用します。HUDに頼り切りのレギュラーは、私のVPIPが14%なのを見て、私のUTGからのレイズにAQをコールします。おそらく、「AQは上位14%のレンジに対してはいいエクイティがある」と考えるのでしょうが、わたしのレンジは前回見たような超タイトなものです。UTGのわたしのレンジの全てのハンドはAQに勝っているのです!実際、AQは私のHJ(MP3)のレンジにかろうじて勝っている程度なのです。

 

この記事により、LPでより多くのハンドをプレイすることは利益的だと思っていただければ幸いですし、実際それをスタッツなどを用いて証明できたと思っています。あなたがプレイしやすいように、このレンジをマイナーチェンジするのは問題ありません。

もしあなたがトラッキングソフトを使っているなら、ハンドごとの収支を見ることもできるでしょう。もしウィークAやスーテッドコネクタで多くのお金を失っていることに気づければ、それらのハンドをより多くプリフロップでフォールドすればいいのです。

 

次回の記事では、プリフロップのベットサイジングについて書きたいと思います。これは今、プリフロップレイズのサイズを変えることにより、損失を下げることができるかもという議論をしているからです。その後の記事では、vsオープンレイズ、vs3BETについての記事を書くつもりです。

また、紹介した8つのオープンレイズチャートを1つの画像にまとめました。デスクトップに表示して確認しながらプレイし、利益を出しましょう!

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元記事 The ABC of 2NL, part 6: Open-Raising Charts for Later Positions
https://www.pokerschoolonline.com/blogs/ArtySmokesPS/The-ABC-of-2NL-part-6-Open-Raising-Charts-for-Later-Positions