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The ABC of 2NL, part 8: Someone's opened the pot. Can I still play?

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相手がポットをオープンした。ついていってもいいだろうか?

ここ数回の記事では、あなたが最初にポットをオープンする場合にプレイに参加できるかどうかについて主に書いてきました。ポーカーにおけるほとんどの場合、自分がベッター/レイザーになる方がよく、コーラーになることは分が悪いものです。これは、アグレッサーであるということがポーカーでは有利だからです。我々は、プリフロップでもポストフロップでも、コールしすぎないようにすべきです。

結局のところ、コーリングステーションでいることは長期的にお金を失うことです。それにもかかわらず、今回の記事は、どんなハンドでプリフロップのレイズに対してコールできるかを、理由とともに解説します。

ここでは、ブラインドディフェンスについては語りません。ブラインドディフェンスはとて複雑なトピックであり、数回に別けて書く必要があります。今回は単純に、自分がIP側で、オープンレイズに直面したケースのみに焦点を当てたいと思います。例として、MP1がオープンし、あなたがBUにいる場合などです。

 

オープンハンド≠コールハンド

私は、多くの初心者が、オープンできる強さのハンドがあれば、コールするにも十分あると考える、というミスを犯していると思います。大抵の場合、これは間違っています。

我々があるポジションからオープンできるハンドの多くは、自分より前のプレイヤーがすでにポットをオープンしていた場合、すぐに捨てるべきものなのです。例えば、自分がBUでKJを持っていて、自分までフォールドで回ってきた場合、私は100%オープンレイズします。しかし、このハンドでオープンレイズにコールしようとは決して思いません。

もしあなたが私が以前提示したEP/MPのタイトなオープンレンジを覚えているなら、そのほとんどがハイペアやA+ハイカードであることに気づくでしょう。EP/MPのポジションからレイズするAK,AJ,KQはKJやATのようなハンドをドミネイトしています。下手なプレイヤーはあなたのオープンレイズをKJのようなハンドでコールしてきます。そしてKハイボードでAKにバリュータウンへと連れて行かれるのです。

私がMP1のレンジとして薦めたのは6.2%のレンジであるということを思い出してください。このレンジは88+,AJs+,KQs+,AQo+です。このレンジに対してKJでどうやって対抗するのでしょうか?エクイティを計算してみましょう。

 

MP1 68.34% { 88+, AJs+, KQs, AQo+ }

BUT 31.66% { KJo }

 

KJはこのレンジに対して大きく負けています。相手のレンジの殆どに対してこちらのカードが1枚しか生きていない(要はドミネートされている)ことがその理由です。KJはショウダウンで1/3以下の勝率しか無いのです。だから、オープンレンジ6.2%に対してKJでコールするのは明らかに良くありません。

 

コールできるハンド

では、どのハンドでコールできるのか?

我々の直感に反して、我々はKJより低いカードでコールするほうが戦えます。理由の一つは、ドミネートされづらいこと、もうひとつの理由はフロップでトラブルに巻き込まれづらいことです。

プリフロップレイザーは「ハイカード」で、それよりも悪いペアやドローからバリューを取ります。これはつまり、ドローでトップペアに勝てるようなハンドでコールすべきということです。それゆえ我々は、セット、トリップス、ストレート、フラッシュを作れるようなハンドをプレイしたいところです。

例えば、もし相手が88+,AJs+,KQs+,AQo+であれば、我々は76sでコールする、ということです。相手のレンジに7や6はないので2枚のカードが使えます。トップペアを作れることは殆どありませんが、これは良いことでもあります。なぜなら、弱いトップペアに執着する必要は無いからです。

もしフロップがJ72rで、相手が大きいCBを打ち込んできた場合、我々は弱いペア、弱いキッカー、ドローもなしの状況です。我々は相手が最低でもJは持っていると推測できます。勿論オーバーペアやトップセットもありえるでしょう。

しかし、もしフロップがJ76であれば我々は2ペアがあり、相手は上の2ペアを持っていることはほぼ無いでしょう。なぜなら、相手のレンジにJ6やJ7は存在しないからです。負けているのはJJでセットを作られた場合のみです。

このようなボードでは、我々はAJ(TPTK)やQQ+(オーバーペア)を相手に大きいポットを取れます。76sのようなハンドは別の面でも扱いやすいでしょう。フロップで強いドローは作れるということです。もしボードがJ54ttであれば、OESDができ、場合によってはフラッシュドローも付いてきます。これも同様に、TPTKやオーバーペア相手に大きいポットを取れるチャンスとなります。

76sのようなハンドの最大の欠点は、フロップで2ペア、トリップス、強いドローになることは多くはないということです。これはつまり、プリフロップでコールし、フロップでヒットできなかった場合、相手から最大バリューを取れるのは稀なことだということです。この理由により、このような投機的なハンドをプレイするのは、フロップを安く見ることができ、潜在的な利益があるときのみにすべきでしょう。

 

投機的ハンドとインプライドオッズ

上記の話は「インプライドオッズ」と「リスクvsリターン」の事を言っています。投機的なハンドでは、我々はリスクを最小にし、リターンを最大にしたいところです。つまり、フロップを安く見て、モンスターハンド(ストレートやフラッシュ以上)を作り、相手をスタックしたいということです。

投機的ハンドはマルチウェイポットで利益になりやすいものです。それは、マルチウェイポットでは多くのプレイヤーは「素直に」プレイするし(ブラフCBをめったに打たず、フリーカードをもらいやすい)、ドローカードを引くコストがかかったとしても、ポットオッズが安くなるからです。

投機的ハンドは、エフェクティブスタックがディープになった時に価値が上昇します。もし相手が30bbしか持っていないのであれば、インプライドオッズはほとんどありません。あなたが3bbはらってプリフロップでコールしても、最大で30bbしか稼げません。あなたがモンスターハンドを完成させるのは1/11以下の確率と思えば、この10倍のインプライドオッズは十分ではありません。スーテッドコネクターでは、20倍以上のインプライドオッズが必要です。

コールするコストがいくらでも、エフェクティブスタックがそのコストの20倍以上でなければなりません。もし全員が100bb持ちなら問題はありません。我々は最大で5bbまでのコストであれば、長期的に見て利益を出すことが可能です。スーテッドコネクタで20回フロップを見れるのなら、その20回で100bb以上の利益を出せると予測できるからです。

 

セットマイン

その他の良い投機的ハンドとしては、ポケットペアがあります。特に2NLではかなりプレイが簡単なハンドで、それにもかかわらずとても利益になるハンドです。55のようなハンドで、相手がハイペアを持っていることがわかっているような状況では、わたしは喜んで3bbをコールします。

プリフロップのエクイティで、55がAAに勝つのは約20%であるということは気にすることではありません。なぜなら、こっちが勝っているのでなければそもそもショウダウンまでいかないからです!スモールペアでは、セットマインとしてプリフロップをコールします。われわれのたったひとつの狙いは、フロップセットを作り、TPTKやオーバーペアをスタックしてしまうことです。フロップでヒットしなければ(これは7/8の確率です)、降りるだけです。

セットマインについては単独で記事を書く予定ですが、とりあえず今は、あなたが知っておくべきことは、もしインプライドオッズが15倍以上あるのならば、セットマインで利益を出せる、ということです。

そして、セットをヒットできなければフロップで降りてしまって構いません。「ノーセット、ノーベット」とは、Joe Stapletonの言葉です。もしセットを引き当てたら、すぐにポットサイズのレイズをしてオールインできる最初のチャンスを待ちましょう。なぜならセットはモンスターハンドですが、できる限りファストプレイすべきで、ドローに安くカードを与えるのを防ぎ、トップペア以上から最大のバリューを引き出しましょう。

 

スーテッドエースの扱い

さて、これでKJがレイズにコールするのには悪いハンドで、スーテッドコネクタやポケットペアは良いハンドであるということがわかりました。他にも何かあるでしょうか?もちろんこれだけではありません。あなたがポストフロップで自制心を保てるなら、スーテッドAをコールすることも可能です。

スーテッドAでレイズにコールした場合、あなたの狙いはフロップで2ペア、トリップス、ナッツドローを作ることです。単に、Aをヒットして追い出されるだけではかなりコストが掛かります。

わたしのお薦めは、A-Tストレートを作れて強い2ペアも作れるブロードウェイキッカーと、A2-A5のようなハンドをおすすめします。A7sのようなハンドはトラブルハンドです。

もしスモールスーテッドAでレイズにコールした場合、あなたはフロップでコンボドローを作ることが可能です。例えばAc5cを持っていてフロップがJc4h2cなら、いろいろな方法で勝つことができます。Aをヒットさせてもいいですし、ストレートを作る3を引くこともあります。もちろんクラブが落ちればナッツフラッシュです。

相手のアクションにもよりますが、この状況では大抵の場合ターンは見に行くし、リバーもプレイします。もしフロップでAがヒットしたなら、たいていフロップはコールします。

しかしターンで2ペア、トリップス、フラッシュができなければ、ターンは打たれたらフォールドします。下に掲載した平均的なMPに対してプレイできるハンドのチャートで気をつけて欲しいのは、AQsのようなハンドも、A2sをプレイしている時のように注意深くプレイしなければならないということです。

もし2ペアやストレート、フラッシュにならなければ、Axxxのボードで2発めを打たれたら、AQsであってもフォールドするほうがいい場合もあります。AKや2ペアに負けている可能性が高いのです。

 

相手のタイプとポジション関係

相手のタイプやポジション関係によってコールレンジは変えたほうがいいか?勿論です。ルースプレイヤーに対しては、少しばかり広くコールしましょう。TAG/nitのEPからのオープンに対しては、AQoのようなハンドは即フォールドですが、ルースプレイヤーに対してはプレイできます。

実際、LAGに対してはAQoでバリュー3BETすることもできるでしょう。また、前に二人のプレイヤーがポットに参加していて、自分がボタンのような場合も、レンジが広くなります。ポットオッズもいいし、ヒットした時に巨大なポットを勝ち取れる可能性もあるので、スーテッドワンギャッパーやスーテッドブロードウェイなどもプレイできます。

 

投機的ハンドの原則

友人のRoland GTXが、プリフロップのコーリングレンジについて、素晴らしいアドバイスをフォーラムに投稿してくれました。彼の書いたことをまとめると、

我々は、以下の4つを満たした時のみ、投機的ハンドをコールすべきである。

  • 2人以上のディープスタックのプレイヤーがすでにポットに参加している(インプライドオッズ)
  • 自分がレイトポジションにいる(3BETされる可能性が少ない)
  • フロップを安く見れそうである(3bbコールやオーバーリンプ)
  • 持っているのは真に投機的なハンドである(J9sの様なスーテッドワンギャッパーや、T9oのようなオフスートコネクタはプレイしてはいけない)

 

みなさんにおすすめしたコールドコールレンジは、これよりも少しルースです。しかし、Rolandはわたしがプレイしているよりも高いレートをクラッシュしているプレイヤーですし、ポストフロップがまだ苦手な人にとっては、Rolandのルールのほうが安定するかもしれません。

もしあなたが投機的ハンドで利益を最大化し、損失を最小化するプレイが出来るか不安であれば、76sやA4sのようなハンドは、長期的にはマージナルな利益しか出せないものですし、単にフォールドしてしまうのが正解です。

また、Rolandの言うように、レイトポジションにいるときにだけコールするというのには、私も賛成です。HJが、投機的ハンドをコールして利益を出せるギリギリのポジションです。

また、私のトラッキングソフトによれば、EPのオープンにコールすることはほとんどのハンドでマイナスです。もしMP1で44を持っていて、UTGがレイズしてきたら、即フォールドして、もっといいセットマインのチャンスを待ちましょう。

 

コールドコールレンジのハンドチャート

下にいくつかのチャートをつけました。以前の記事のチャートと同じで、基本的にエフェクティブスタックが100bbである前提です。あなたはこのチャートを、自分の読みや、スタックサイズによって調整しても構いません。スタックがとてもディープなら、コールレンジを広げることができます。

オープンしてきた相手が40bb持ちのミッドスタッカーであれば、私は55で3bbオープンに対してはコールすることはありません。ヘッズアップであればインプライドオッズが足りないからです。

なお、以下のチャートは「プレイできる」ハンドであって、AAやKKなどのモンスターハンドも含まれています。もちろんこれらのハンドはプレイできます。レイズに対してAA/KKを持っている場合の標準的プレイは、3BETをして、プリフロップオールインにまで持って行くことです。

3BETについての記事も今後書きますが、ここで短くアドバイスをしておくと、2NLでは多くの場合、標準的バリュー3BETレンジはQQ+,AKです。しかし特定の状況では、これらのハンドもコールした方がいい場合があります(さらに稀な状況では、QQやAKを降りたほうが良い場合もあります!)。

JJやAQ、それに類する弱めのハンドは、時にはバリュー3BETができますが、それは今回の記事の範疇を超えています。以下のチャートでは、基本的にバリュー3BETできる/すべきハンドは、黄色で表示されています。コールできるハンドは青色です。

 

タイトなレンジ(例:vsEP,vsVPIP14%以下)に対してプレイできるハンド

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このハンドマトリクスは全てのポケットペアとAKを含んでいます。これが、レイザーがEPもしくはニットである場合の標準的なコールレンジです。2NL/5NLでよくあるミスは、状況を全く考えずに、AKで機械的に3BETして、オールインまで持っていてしまうことです。

AKを持っている時に、EPもしくはニットに対して3BETするというミスはしないように注意してください。ハイペアとぶつかることが多く、お金を失ってしまうでしょう。

同じことはQQにも言えます。タイトな相手に対してはQQ,AKをコールし、できる限り相手のレンジを広いままにしましょう。もし相手がEPからオープンしたか、ニットであれば、3BETするのはKK+だけにしましょう。

 

平均的なレンジ(vsニットでない相手のMP/CO,vsVPIP20%以上)に対してプレイできるハンド

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全ての良いスーテッドコネクタが加わります。また、スーテッドエースの一部も加わります。MP/COのオープンに対してのバリュー3BETレンジはQQ+,AKで場合によってはJJ,AQsも加わります。

 

ワイドなレンジ(vsCO,vsVPIP25%以上)、またはマルチウェイポットで自分がBUにいるときにプレイできるハンド

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典型的なCOのオープンレンジはとても広く、そのためあなたはこのような広いレンジでバリュー3BETが可能です。また、特にマルチウェイポットで自分がBUにいる場合、多くのスーテッドワンギャッパーやスーテッドブロードウェイでコールすることができます。

もしCOとヘッズアップになったのであれば、AQ,AJ,KQアタリではトップペアを作ればそれだけでも十分です。これらのハンドを単にストレートやフラッシュのためだけにプレイするのはやめましょう。

ここで忘れないで欲しいのが、ワンペアしか持っていないのであればポットを小さく保つ、ということです。あなたがBUで、COのルースプレイヤーがオープンした場合、ライト3BETを慎重にプレイすることも可能です。

私はよく低いスーテッドエースやスモールペアをライト3BETに使います。これらのハンドでコールしても、相手が大きなポットを作りたくなるような強いハンドを作らないと+EVにならないからです(もし22をAQ2のボードでセットにしても、相手がQTのようなハンドを持っていたらスタックするのは不可能です)。

もしあなたがライト3BETに気乗りしなかったり、86sのようなハンドでポストフロップを上手く戦えない、と思ったのなら、その時はプリフロップでフォールドしてしまいましょう。


この記事が、オープンレイズに直面した時にどういうハンドをプレイできるか、理解するための手助けになれば幸いです。次回の記事では、あなたがオープンレイズし、3BETされた場合について書く予定です。それではまた次回!

 

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元記事 The ABC of 2NL, part 8: Someone's opened the pot. Can I still play?
https://www.pokerschoolonline.com/blogs/ArtySmokesPS/The-ABC-of-2NL-part-8-Someone-s-opened-the-pot-Can-I-still-play