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The ABC of 2NL, part 13: The ABC of Continuation Betting, part A: Theory

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CBについてパート1:CBの基礎

ここ15年間のポーカーシーンを見ていた人であれば、「コンテニュエーションベット(CB)」という用語はよく知っているでしょうし、CBを打つ機会があれば打つのは「スタンダード」であるということも知っているでしょう。何故なら、もしあなたがベットしてリードすることができないのであれば、ポーカーで勝つことはとても難しいからです。

CBというのは考えも無しに学んでしまうくらい初歩的なプレイですが、盲目的に100%の頻度でCBを打ってしまう前に、いくつかの重要な点について考慮しなければなりません。

このトピックはかなり複雑であるため、理解しやすいように記事を第13回~第15回にわたる3つのセクションに分けます。今回の記事ではあなたのポーカー知識にいくつかの専門用語が加わることになると思います。たとえあなたがまだプロのようにプレイは出来ないとしても、プロのように話すことはできるようになるでしょう(これは私にも言えることですね)!

記事ではCBを打つべき数学的根拠を説明し、プレイについての一般的なアドバイスもしたいと思います。しかし、まずは、用語の定義を学びましょう。

 

用語解説

CB

コンテニュエーションベット(CB)とは、一つ前のストリートでアグレッションを持ったプレイヤーが、引き続きベットを行うことです。ここで主に扱うのはフロップCB、つまりプリフロップでレイズをしたプレイヤーがフロップで最初に打つベットですが、ターンCB、リバーCBというものも存在します。

あなたのフロップでのハンドが完全にエアなのか、不動のナッツなのかは関係ありません。もしあなたがプリフロップレイザーで、フロップで最初のベットをしたのなら、あなたはCBを打った、ということになります。

 

例:
Hero-MPがオープンレイズし、BBにコールされた。フロップでBBはチェックし、Heroはベットした。これがコンテニュエーションベットです。

Heroは最後の(そして唯一の)プリフロップレイザーだからです。もし相手がフロップでチェックレイズをしたのなら、相手にイニシアチブが渡ることになります。

そしてそのチェックレイズにHeroがコールしたなら相手はターンでベットしてくることが多いでしょう。そのリードベットは、相手がターンCBを打っているということになります。なぜなら相手は一つ前のストリートでレイズした唯一のプレイヤーだからです。

もしアクションが少し異なり、BBがフロップでリードベットを打った場合、彼のベットは「ドンクベット」と呼ばれ、これは相手のCBを打つ機会を消すものです。Heroはイニシアチブを保ちたいのであればドンクベットにレイズするしかありません。

また、フロップでチェック-チェックで回り、Heroがターンでベットしたような場合は、ディレイCBと言われます。

さて、次へ進む前に、この記事の理解を深めるために、もう少しばかりポーカー用語の解説をしましょう。

 

ショウダウンエクイティ

ショウダウン時にベストハンドを持っている確率のこと。大抵%表記で表され、これがあなたの「勝つ確率」です。例えば、もしプリフロップでAAvsKKのオールインになれば、AAは82%のエクイティを持っています。

 

ショウダウンバリュー(SDV)

ハンドの強さを相対的に表す用語。ミドルペアのような中程度のハンドの評価に良く使われ、「マージナルなショウダウンバリューがある」というように、ショウダウンである程度勝てるハンドのことを指す。

 

フォールドエクイティ(FE)

ベットに対して相手がどれくらいフォールドするかの推測。(セミ)ブラフをするときによく使われ、ベットが+EVのベットになるためには相手がどれくらいの確率でフォールドすればよいか、というような使い方をします。EV計算では、FEは%で表されるか、0~1の数字で表されます。

 

CBが利益的である理由

CBがとてもポピュラーなものになった理由は、(一般的には)有利なアクションであるからです。これは、+EVであるとも言えます。CBが利益的である主な理由は、-ほとんどの場合-相手がフロップをミスしているからです。つまり、CBにフォールドするということです。

ペアでない2枚のカードで、フロップでペアが出来る確率というのは約30%です。単なる2オーバーやガットショットも含めれば、ドローはそこそこのハンドでできるでしょう。しかし、トムドワンが言ったように、「ホールデムでペアを作るのは難しい」のです。

ここから導き出せる結論は、「ペアもドローもないときにCBにコールするのは難しい」ということです。相手が大抵ペアもドローもないのであれば、そこでCBを打つことは、即座にポットを勝ち取れる、ということを意味します。

 

CBが利益的である証明

CBが+EVであるということは、賢い小学生でも解けるような数式で証明できます。しかし多くの人は数学に恐怖すら覚えていると思うので、簡単に言葉で表してみたいと思います。そしてそこに数字を当てはめてみてください。以下の例では、CBは完全にエアである場合です。

 

EV = (あなたの勝つ金額 x 相手の降りる頻度) - (あなたの負ける金額 x 相手がコール/レイズする頻度)

 

これをもう少しポーカー用語のレベルに落としこんでみましょう。

 

EV = (ポットサイズ x FE) - (ベットサイズ x (1 - FE ))

ブレイクイーブンポイント(EV+-0の点)を見つけるために、EV = 0に設定します。そしてこの数式を解いて求められるFEを出してみましょう。

 

(pot * FE) - (bet * (1 - FE)) = 0
→ FE = bet / (pot + bet)

 

これはつまり、求められるFEは、ベットサイズをポットサイズ+ベットサイズ(ベット後の総ポットサイズ)で割ったものであるということです。これを2NLでの実例に当てはめてみましょう。

 

あなたがSBで6セントオープンし、BBがコールしました。ポットは12セントです。もしあなたが50%ポットサイズのブラフを打った場合、12セントのポットに6セント打ったことになります。ここでブレイクイーブンとなるフォールドエクイティは6/(12+6)=6/18=1/3=0.33となります。

わかりやすく言葉で言えば、ハーフポットブラフを打った場合、相手が3回に1回は降りてくれればEV+-0になるということです。まだうまく想像できなければ、12cのポットに6cのベットをする状況を3回分考えてみましょう。1回は相手が降りて12cの利益、2回は相手が降りずに6cの損失、合計収支は0です。

もし相手は1/3以上にフォールドしてくれるのであれば、長期的に利益が出るということです。もしもっと大きいベットサイズでブラフするなら、相手が降りる確率がもっと必要になります。

 

よく使われるベットサイズについて一覧にしました。

 

  • もし100%ポットサイズでベットするなら、相手が50%以上フォールドする必要がある。
  • もし75%ポットサイズでベットするなら、相手が42.85%以上フォールドする必要がある。
  • もし60%ポットサイズでベットするなら、相手が37.5%以上フォールドする必要がある。
  • もし50%ポットサイズでベットするなら、相手が33%以上フォールドする必要がある。

 

ビッグブラフは相手がそれだけ多くフォールドしてくれる必要がある。ベットサイズが小さければ相手のフォールドする頻度も低くて良い。

 

CB頻度

トラッキングソフトを使っている人は、ここで言及していることを既に見ていると思います。FEの数値は「Fold to Cbet」の数値としてHUDスタッツに蓄積されているでしょう。これを見れば、あなたは、自分も含む多くのプレイヤーがCBに対して45-65%程度フォールドしていることがわかるでしょう。これがCBが即座に利益となる理由です。

私は、弱いハンドを持っていたとしても、50-65%の確率でCBを打ちます。もしあなたが60%ポットサイズのベットをするのであれば、必要な相手の降りる確率はたったの37.5%でいいのです。しかし、多くの相手は実際にはそれ以上フォールドするのです!

つまり、数学的には、相手が37.5%以上フォールドするのであれば、60%ポットサイズのベットは利益になるということです。しかしこれは100%の頻度でCBを打てという意味ではありません。

相手がそのような高頻度でフォールドしてくれるのであれば、全部のフロップでCBを打つことは+EVでしょう。しかし、CB成功率に影響を与えるいくつかの要因を考慮することで、あなたは利益を最大化することができます。

長期的には、相手はフロップで50%以上はフォールドするでしょうが、フロップは毎回同じではありません。ある状況ではフォールドエクイティはとても高いでしょうし、その場合はブラフすることはとてもいい考えです。また、フォールドエクイティが低い状況では、ブラフはやめたほうがいいでしょう。

とくに2NLでは下手なコーリングステーションがとても多いので、マルチウェイの状況でエアハンドでCBを打つことは大抵の場合間違ったプレイです。最低でも1人はフロップと何かしらマッチしたハンドを持っており、コールしてくるでしょう。

フォーラムなどでよくある質問に、「どれくらいの頻度でCBを打てばいいか?」というものがあります。これについて簡単な答えはありません。2NLのフルリングでは、50~75%が最も利益的であるとは思いますが、これは相手がどれくらいルースか(タイトか)や、テーブルにどれくらいの数のコーリングステーションがいるかに依存するものです。

 

CBスポットの選択

もしあなたがニットであれば、CBを打つ頻度は高まるでしょう。何故なら、平均よりも強いレンジでフロップを見に行くことになり、それであればバリューベットを打てる状況が増えるからです。15/10のようなTAGスタイルでプレイしているのなら、CB率は65%前後が最適でしょう。これより高いのであれば、取れるポットの数は多くなるでしょうが、それは必ずしも稼げるお金の額が多くなることとイコールではありません。これより低いのも、パッシブすぎる可能性があります。

2NLではコーリングステーションが多いのは事実ですが、スポットによってはCBを打たないことがかなりのミスになる場合もあるので、相手に無料でまくり目を与えることはないようにしましょう。

CBに適したスポットを選択することは、あなたが考えるよりもかなり複雑なものです。判断根拠の第一は、あなたのハンドがどれくらいボードにコネクトしているかです。このシリーズのパート3を思い出してみてください。ベットする理由を2つ書きました。

  1. バリューとして:こちらに負けているメイドハンドやドローなどにコールしてもらう。こちらが勝っているであろう状況でバリュータウンに向かう。
  2. ブラフとして:ショウダウンで勝つことが難しいが、ブラフで相手のこちらに勝っているハンドをおろせる場合。

 

これ以外の種類の「第3の」CBもありますが、それには私の知る限り、「バリューベット」や「ブラフ」など、単純にわかり易い名前はありません。そのベットは、おそらく自分が勝っているであろう状況だが、ショウダウンバリューがマージナルであるためベットに対してコールはされたくないというものです。

このベットの目的は、こちらに対してまだ負けているが、良いエクイティを持つハンドを降ろすためのベットです。多くのCBスポットでは、我々は相手がフォールドしてエクイティを捨ててくれることを望みます。それは、即座にポットを取ってデッドマネーを得ることができるからです。自分はこのようなベットを「デッドマネー取得」/「エクイティ破壊」ベットと呼んで説明します。

 

2NLでのCB

2NLでは、基本的にフロップでトップペア以上なら、常にバリューCBを打てると思います。これは明確にバリューベットです。なぜなら、相手はそれより弱いハンドでコールしてくるからです。

高いステークスでは、デセプションがより重要となってきます(これがハイステークスポーカーでジョニーチャンがTPTKをウェットボードで2ストリートでチェックする理由です)。

しかし2NLでは、スロープレイはバリューを逃すことになり、のちのストリートで複雑な状況になります。実際、"RolandGTX"と私のハンドヒストリーを見ながら議論ましたが、もしフロップで運良くフルハウスや、クアッズをヒットしたような場合でも、フロップでCBを打つのが+EVであると思います。

なぜなら、あなたがCBを打つと、相手はあなたがこのような強いハンドを持っていると思わないからです。また、フロップで8アウツ以上の強いドローをヒットした場合も、ほとんどの状況でCBを打つことをおすすめします。セミブラフとして、ターンやリバーでナッツを作った場合のためにポットを大きくし、ベットの段階で即座にポットを取ることもできます。

また、6アウツ程度の、2オーバーのようなドローハンドでもCBを打っていいですし、ガットショットドローくらいでもベットしても構いません。

トップペアでなく、セカンドペア以下のペアができた場合にはどうすればいいでしょうか。これをどう扱うかは、ボードと相手のレンジを比較して、そのハンドが相対的にどれくらいの強さなのか、SDV(ショウダウンバリュー)があるのか、という判断に依存します。

私は、ボトムペアやアンダーペアは、「エア」として扱い、ターンでブラフに変える場合もあります。例えばAJ7フロップでの33などは、SDVはないと言ってもいいでしょう。5枚目までボードがめくれても、このハンドが相手に勝つには2アウツしかないからです。この状況では私はCBを打つことが多く、相手が降りれくれることを期待します。33で相手の66を降ろすことができればとても素晴らしいですし、それゆえここでのベットはほぼピュアブラフ(相手の強いハンドを降ろす)となります。

時には、相手が降りた時に98sを見せるなどして、「ベストハンドをブラフに変えた」、つまりこちらが勝っているのに相手をおろしてしまった、ということがわかってしまう場合があるかもしれません。

 

ベットする理由

ベットする理由というのはバリューか、もしくはブラフかの2つではあるけれども、多くのCBスポットでの狙いは、相手のエクイティがあるハンドをフォールドさせ、デッドマネーを得ることです。だから、AJ7のボードでは、33は98sに勝っていますが、ショウダウンまで行った場合にガットショットをヒットさせたりペアが出来たりして98sが33をまくる可能性は47%あります。それをもしベットして相手をフォールドさせることができれば、チェックダウンするよりもベットが+EVなのです。

似たような状況として、あなたがAQを持っていてボードがK72、相手がJTsを持っている場合を考えましょう。あなたは現状ではベストハンドを持っていて、エクイティも73%あります。

しかし、ここで打つCBをバリューベットとは思わないでしょうし、相手にコールされたくないと思うでしょう。ここでのCBは、相手が持っている27%のエクイティを捨てさせ、ポットを取るためのものです。相手が27%のエクイティをベット1発で捨ててくれるなら、素晴らしい結果です。

以下のことを常に忘れないようにしてください。

あなたは時にバリューCBを打ち、時にブラフCBを打ちます。そしてまた、時にデッドマネー(ポット)を得るためにCBを打ちます。

 

CBチェックリスト

さて、フロップと強く結びついた場合(トップペアや強いドロー)に、バリューのためにベットを打つのは、とても素直なプレイです。CBについての記事の残りのほとんどは、あなたのハンドの強さがフロップでは明確に分からない状況についてです。以下にブラフCBを打つ場合のチェックリストをつけるので、目を通しておいてください。

 

ブラフCBを打ちやすい状況
  • ヘッズアップ
  • IPのあなたまでチェックで回ってきた
  • ハンドが弱く、SDVがかなり低い
  • 相手がフォールドボタンを持っている(コーリングステーションではない)
  • ボードがあなたのレンジにヒットしていて、相手のレンジにはヒットしておらず、フォールドエクイティが高い

 

ブラフCBを打ちにくい状況
  • マルチウェイポット
  • OOPである
  • ある程度のSDVがあるマージナルなハンドを持っている
  • 相手がフローターもしくはコーリングステーションである
  • ボードがあなたのレンジにヒットしておらず、相手のレンジにヒットしていて、フォールドエクイティが低い

 

このチェックリストを確認し、ブラフCBを打つのに適しているかそうでないかを確認しましょう。

 

ヘッズアップ/マルチウェイボット

ヘッズアップでのCB成功率がマルチウェイよりなぜ高いのかは明白です。ヘッズアップでは、あなたは相手を一人だけフォールドさせればいいからです。マルチウェイポットでは、誰かのハンドがフロップと絡みついている可能性は高いでしょう。

 

OoP/IP

OOPよりIPのCB成功率が高い理由は、相手によっては、ハンドが良いと反射的にドンクベットを打ってくるようなことがあるからです。このようなドンクベッターがチェックしてきたということは、何ももっておらず、CBに降りることを意味します。もしCBがコールされた場合でも、IPであることは有利に働きます。なぜならあなたは後のストリートでポットコントロールができるからです。

OOPであることのもう一つの問題点は、相手がフロートを試みるために、機械的に一発目のベットをコールする場合があることです。フローターはターンであなたが諦めることを願い、IPであることを活かし、ポットをスチールするためにフロップをコールします。

ですので、あなたはOOPの時にはCBを極端な高頻度で打つのを控えるべきです。状況を注意深く見積もり、幾つものファクターを考え、CBを成功させるためのプランを考えましょう。

 

チェックコールの活用

時には、ベットするかわりに、チェックコールのラインも取り、チェックバックされてフリーカードを得て、ディレイCBを打つのもよいでしょう。また、損失を最小限にするために、単にギブアップすることも必要です。

マージナルなSDVがあるハンドは、私はたいていIPではチェックバックして、OOPではチェックコールします。また、ミドルペアのようなハンドでは、複数のストリートではベットをしたくありません。出来る限り安くショウダウンに持ち込みたいからです。

なお、チェックするからといって、必ずしもギブアップするわけではありません。実際、フロップでベットしないことにより、後のストリートで相手をバリュータウンに導くことも出来るのです。

なぜなら、相手はこっちが消極的なプレイを弱さの現れと見てブラフをしたり、こちらのハンドを弱く見積もって、ターンやリバーのバリューベットをコールしてくれることがあるからです。

 

次回の予定

CBの成功率を上げるために最も難しい部分は、ボードテクスチャの評価、つまり、レンジがボードとどれだけ絡んでいるかを見積もることです。これについての記事はこれまでのシリーズ全体、そして今後の記事でもとりあげる予定です。

その後には、典型的なフロップの状況を例に取り、なぜCBを打つ/打たないかの理由を解説する記事も書きたいと思います。また、ベットサイズについても取り上げたいと思います。

 

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元記事 The ABC of 2NL, part 13: The ABC of Continuation Betting, part A: Theory
https://www.pokerschoolonline.com/blogs/ArtySmokesPS/the-abc-of-2nl-part-13-the-abc-of-continuation-betting-part-a-theory

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