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PokerStudie

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The ABC of 2NL, part 19: Some more thoughts on Relative Hand Strength.

相対的なハンドの強さについてもう少し

前回の記事では、相対的なハンドの強さについて、そのハンドでプレイしたいのはビッグポットかスモールポットかというような一般的な話をしました。相対的なハンドの強さというものは、初心者には少し理解しづらいかもしれません。しかし効果的なベットを打つためには基本となる重要な考え方なので、出来る限りわかりやすく述べていきたいと思います。またこの記事では、EVを最大化するためにも、相手のレンジを考慮に入れます。いくつかの話はいつもの読者の方ならとっくに理解していることかもしれませんがご了承ください。

皆さんは少なくとも、「プリフロップでJJは76sより強いハンドである」ということがわかっているようと思います。JJが嫌いな人もいるかもしれませんが、シングルレイズドポットでは、多くのハンドに対しJJが勝っていることは事実です。

しかし、フロップ以降ではこれが大きく変化します。フロップのテクスチャというものは、各プレイヤーのハンドの強さに対し大きく影響を与えます。ハンドがJJならフロップでAKQなどのオーバーカードは見たくないと思うでしょう。勿論オーバーカードが落ちたからといって負けているとは限りませんが、少なくとも負けている場合にはほとんどの場合Jの2アウツしかありません。つまり、JJはプリフロップではとても強いですが、オーバーカードが落ちた場合には、相対的な強さは下がってしまうということです。

バリューベットの観点からここで重要なのは、もしあなたのハンドがポストフロップで 相対的に弱いものであるなら、負けているハンドからバリューを取るのが難しくなる、 ということです。

実際、あなたのハンドより強いハンドが多く存在するし、そこでバリューベットと思い ベットをしても、あなたのハンドよりも強いハンドしかポットに残らない可能性が高いでしょう。私は、このコンセプトについては次の例でかなり理解できるようになると思います。

 

ハンド1

話を単純化するために、シングルレイズドポットでヘッズアップになったと仮定しましょう。 フロップが以下だったとします。

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このフロップでは、ナッツとなるのは99です。99というのはプリフロップでの強さは 中程度ですが、このフロップではトップセットを作っています。もちろんターンのカードによってはナッツではなくなりますが、それであっても、フロップでは 他のすべてのハンドに勝っています。

他にも、88や22もこのフロップではとても強いハンドです。 その次に来るのが98で、ツーペアを作っています。セットには負けてしまいますが、 それでも十分強いハンドです。セットの3種にしか負けておらず、そのセットもブロックしています。 92や82もツーペアですが、これらのハンドはプリフロップで参加することはほぼ無いので、 ここでは考えなくてよいでしょう。

ツーペアより下のビッグハンドといえばオーバーペアで、その中ではAAが最強。 TTは一番弱いオーバーペアですが、それでもTPTKには勝てます。A9はこの982のフロップでは強いハンドですが、だからといってそれはモンスターハンドである、という意味ではありません。結局のところ、A9以前に言及した全てのハンドに負けています。

また、J9やT9のような、キッカーが低い9は更に弱くなります。 A8のようなミドルペアはかなりマージナルなハンドで、発展するアウツも多くありません。このようなボードでのアンダーペア(は、このボードだとありませんが)やボトムペアは ほとんど無価値です。

まだ手役ができていない中では、このボードで強いドローはオープンエンドストフラドローの JdTd、または7d6dです。これらのハンドは多くのワンペアハンドには僅かにエクイティが上です。その他の良いドローとしては、Adをもってのナッツフラッシュドローや、 バックドアフラッシュ&ストレートドローのJcTc、7c6cがあります。ガットショットストレート&フラッシュドローのQdTdなどもそこそこ強いドローと言えます。

ここで理解すべきなのは、多くのハンドがこのボードと結びつき、 その中にはセットや2ペア、コンボドローなどの強いハンド、 トップペアやスモールペア、弱いドローなどの中程度の強さのハンド、 ミドルペアやガットショット、2オーバーなどの弱いハンドがある、ということです。

モンスターハンドやコンボドローは、自分より弱いハンドに色々なアクションを起こしてもらうことができるし、 弱いハンド、弱いドローはその逆で、アクションを起こしてもらえるハンドのうち、 トップペア以上のハンドにすらアンダードッグです。

以下の図で確認してみましょう。

 

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上の図は全てではありませんがフロップでありえる様々なハンドです。 強さについてはかなり大雑把に分類されています。なぜなら、それぞれのハンドの価値は、相手のハンドレンジにより変わるからです。あなたはこの図を丸暗記する必要はありません。そこまでする必要はなく、 このボードでのTPTKは中程度の強さでしかないということがわかれば、 ポットコントロールを考慮するような事ができるでしょう。

上の図で言うと、モンスターハンドやモンスタードローについては、私は喜んでフロップでスタックオフします。とくに2NLであれば相手がかなり弱いハンドを 見せてくる可能性もあります。逆にエクイティの低いハンドでは、デッドマネーを取れそう(降ろせそう)な相手でなければ、CBすら打たないかもしれません。

ポストフロップのプランをどのように立てるかは、自分の実際のハンドと、ポットに残っているであろう相手のハンドを比較して考えます。 バリューベットを打つ時には、自分がトップレンジに近いハンドであれば、 スタックすべてを掛けるプランを立てます

特に相手も強いハンドを持っていそうだったり、ベットに対してポットに残るハンドが 多くありそうであるなら、「ビッグハンド、ビッグポット」という格言を思い出し、 強くベットを打ち、3ストリートで手厚いバリューを取りに行きます。

自分のハンドが中程度の強さのハンドである場合は、もう少し慎重になり、 薄くバリューを取りに行くということも考えに入れます。 負けている可能性も割とあるハンドではポットをあまり大きくしたくないところです。

自分のハンドが弱いハンドであれば、ポットを完全にあきらめるか、トップレンジを装い、 ブラフをすることになるでしょう (ただし、何度も言及しているように、マイクロステークスではあまりブラフは勧められません。 コールしすぎる相手が多く、ブラフの意味が少なくなるからです。 まずはビッグハンドのプレイを勉強しましょう!)。

ターンとリバーのカードはあなたのハンドの相対的な強さを変化させます。 (上級プレイヤーになりたいのであれば、各レンジにどう影響するか、と考えましょう) ハンドレビューフォーラムでは、「このターンカードはヒーローよりも相手のレンジに有利なカードだ」というような言い方をします。

そして、「残るレンジ(プレイ継続レンジ)」についても考えます。 つまり、もしあなたがベットをした場合に、相手がプレイを継続する(降りない)レンジのことです。 もし我々が相手のフロップコールレンジを「ミディアムペアとフラッシュドロー」と想定したとして、ターンにフラッシュ完成カードが落ちれば、相手のレンジを強化するカードが落ちたといえます。

逆に、フラッシュが完成しないブロードウェイであれば、相手のレンジの助けにならないカードといえるでしょう。 もし相手がプレイを継続したのであれば、そのたびに我々は相手のレンジを考えなければなりません。

 

ハンド2

上記の話について、まだちょっと何を言っているかわからないという場合、 次の例が参考になるかもしれません。ヒーローはBUで8c8sをオープンレイズ。セミルースパッシブなBBがコールしました。

フロップ

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(どこかで見たボードですね) さて、ここではヒーローはセカンドナッツを持っています。 ここはバリューベットを打つにはかなりいい場面で、ヒーローは99にしか負けておらず、 相手の傾向からしても、負けているハンドで色々なアクションが期待できそうです。 Ah2hやKsJcからですら、この相手からはアクションが期待できるかもしれません。

多くの相手のハンドはかなり勝ち目が薄く、厚いバリューを取れるスポットです。 つまり、負けているハンドで、相手がプレイを継続してくれる場合(コンボ数)が多いということです。 BBチェック、ヒーローがベット、BBはコール。

ターン Qd

おおっと!フラッシュドローとOESDが完成するカードが落ちてしまいました。 ヒーローはフロップではセカンドナッツでしたが、今やフラッシュ、JT、あとは あまりなさそうですがQQのセットに捲られてしまいました。ヒーローの88のセットの相対的な強さが下がったといえます。 フロップのセカンドナッツはいまやナッツに近くすらありません。

けれども、捲られていてもフルハウスとクアッズへの10枚のアウツがあります。 ここでベットをすれば相手の1枚フラッシュドローに対してはプロテクトになるかもしれませんが、 ここで注意して欲しいのは、相手のSLPプレイヤーにとっても、このQは、 スケアカードにもなり得るということです。

例えば相手がノンフラッシュのT9を持っていたとして(フロップではそこそこの強さ)、このQは、フラッシュにもQはヒットにも捲られてしまったと考えられるカードです。

つまり、フロップでそこそこの強さのミディアムペアは、このQで相対的な強さが 下がるということです。 もしこのQでヒーローがダブルバレルを打つと、相手は負けているハンドではほとんど降りてしまい、 プレイを継続するのはこちらに勝っているハンドの場合が殆ど、ということになります。

さらには相手がストレートやフラッシュを持っていた場合、チェックレイズも十分考えられ、ヒーローのベットは単にポットを大きくするだけになってしまいます。 もはやヒーローのハンドは相手のレンジに対してモンスターではなくなっているのですから、相手の負けているハンドを降ろさないように、慎重にラインを選択しなければなりません。

BBチェック、ヒーローもチェックビハインド。

リバー 2h

このカードはヒーローにとって素晴らしいカードです。 フルハウスになっただけでなく、恐れるような相手なハンドはもうありません。 この2はほぼブランクカードで、相手のハンドを進展させることはほぼないでしょう。 相手のベイビーフラッシュの強さも変わりません(4枚目のスートが落ちると、相手が ベイビーフラッシュだった場合かなり弱くなり、バリューを取りづらくなる)。 Q9や98のツーペアがヒーローのKK+やA2などを警戒するくらいでしょう。

ターンのポットコントロールにより、自分のハンドを読みづらくさせたこともあり、 リバーでは容易に支払ってもらえるでしょう。 ターンのチェックには、ハンドを発展させるフリーカードを単にもらっただけでなく、 相手が自分のハンドの相対的な強さを高く考えると言う効果もありました。 ターンがチェックチェックで回った後は、相手はフラッシュ、2ペア、トリップスなどで、 ベストハンドを持っていると考えるでしょう。TPTKのようなハンドでもそう考えるかもしれません。

結局のところ、ヒーローが「標準的なCB」のあとにターンをチェックしたことで、 ハンドを持っていないと考えさせ、相手はリバーで、中程度の強さのカードでバリューベットをしてきたり、ミスドローでブラフベットをしてくる可能性もあります。

BBベット、ヒーローはレイズ BBはショブし、ヒーローはコール。

相手 7d6d(Qハイフラッシュ7) ヒーロー 8c8s(8フル2)

ヒーローがポットを獲得。

結果として、相手はフロップではモンスタードローを持っていたが、パッシブにプレーしていました。 相手はフラッシュをヒットさせましたが、ヒーローがチェックビハインドしたため、 勝っているターンの時点ではポットにお金を入れることが出来ませんでした。

リバーではフルハウスの可能性も出現したにも関わらず、相手はオールインをしました。 これは負けているハンドにしかコールされないオールインですので、明らかなミスプレイです。 ヒーローは、自分のハンドが勝っているか判断しづらいストリートでチェックをはさみましたが。 相手が自分のハンドを過大評価したために、スタックすることが出来ました。

上記のハンドはあくまでも例ですので、チェックをしてもフルハウスにならないかもしれないし、オールインにコールしたらクアッズやストフラが出てくる場合もあるでしょう。しかし、ある程度はハンドの相対的な強さとベットと継続レンジの関係を説明できたと思います。

ベットやチェックの決断をする際に、このような考えをすることで、ウィンレートに いい影響をあたえることが出来ると思います。 次回は、スターズでの私のハンドヒストリーを使って、解説を試みたいと思います。

 

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