The Art of Bluffing at the Micros: When to do it and Why
マイクロステークスにおけるブラフの技術:いつどんな理由で打つか
マイクロステークスについての戦術書に書かれている最古のルールは、「絶対ブラフするな」です。それなら、何故私は今この記事を書いているのでしょう?そう、我々が知るオンラインポーカーというものは、何年にも渡り変化を続けており、マイクロステークスにおいても現在では、ある種のプレイヤーに対しブラフが利益的であるようになったのです。
ずっと昔は、文字通り全てのプレイヤーが、フォールドすることが不可能でした。それから時がたち、多くのレギュラーは、(特にタイトなレギュラーに対して)フォールドボタンがマイクロステークスにおいてとても重要であるということを発見したのです
しかしポーカーの素晴らしいところは、全てのアジャストにはさらにアジャストできるところです。多くのマイクロステークスのプレイヤーがフォールドしすぎているので、一部の上手いレギュラーは、よりアグレッシブにブラフをしていくことで、このアドバンテージを得るようになったのです。
このブラフの第一のターゲットは、過去の何度も語ってきた、「TAGフィッシュ」タイプのプレイヤーです。典型的なこの種のプレイヤーは、以下の様なスタッツです。
Full Ring: 13/10/2 WTSD 22%
6max: 19/16/2 WTSD 22%
上の数字はVPIP/PFR/TotalAFです。もしこれらの数字に不慣れであれば、私が過去に書いたHUDに関する記事を参照してください。
基本的にこのプレイヤータイプはタイトで、かなりパッシブで、ナッツを持っていなければスタックの大部分を賭けてプレイすることを好みません。特に、WTSD%(went to showdown%)の低さには注目です。
私のデータによると、レギュラーの平均は24%です。こういうプレイヤーは、ターンやリバーにおいてビッグブラフを打つには最適な相手です。どうブラフを活用するかは後ほど例を挙げてみましょう。
しかしながら、まず先にいくつかのことをはっきりさせておきたと思います。もしあなたがマイクロステークスにおいて適切なテーブルセレクションをしているのなら、コーリングステーションである多くの下手なレギュラーの中でプレイをしているわけで、彼らに対してはブラフをしてはいけません。そういう相手のスタッツは以下の様なものです。
Full Ring: 13/10/2 WTSD 27%
6max: 19/16/2 WTSD 27%
ここでもまた、WTSD%が重要なスタッツとなります。このプレイヤータイプは、TAGフィッシュと比べてたった5%多くショウダウンに行くだけですが、これがとても大きな違いとなるのです。全てのセッションで、我々はこのスタッツと関係するターンやリバーでの決断に直面するのです。この種のレギュラーはスモールオーバーペアやトップペア、さらにはミドルペアですら降りたがりません。
それに対し、多くの弱いTAGフィッシュはそれらのハンドを降りることが多いでしょう。5%の差はここから来ています。このような、WTSD%が20%後半のコーリングステーションに対しては、ブラフをしないほうがいいでしょう。WTSD%が20%前半の相手がブラフのターゲットです。
もしあなたが上手くテーブルセレクションができているなら、セミルースパッシブなプレイヤーやフィッシュと対戦すべきでしょう。これらのプレイヤーは全くフォールドしません。彼らのスタッツは以下の様なものです(フルリング・6maxどちらでも)
SLP: 27/8/1 WTSD 29%
Fish: 52/8/1 WTSD 33%
あなたは単に、これらのプレイヤーに対してはビッグブラフで利益をあげようとしなければ良いでしょう。これらのプレイヤーに対してはターンやリバーでブラフは決してしてはいけません。彼らは何かしらの役ができていればコールダウンするし、ペアすらなくてもコールすることもあるので、ブラフは単にウィンレートをドブに捨てるだけです。
それでは、マイクロでブラフをする時は、我々はショウダウンまでついてこれないTAGフィッシュを狙いましょう。いくつかの例を見ていきます。
#1
NL2 Full Ring
Villain is a 13/10/2 TAGfish with a 22% WTSD
Hero raises from UTG with A♥Q♠
Villain calls from the BTN
The flop comes,
6♣6♥7♦
Hero CBets,
Villain calls
The turn comes,
K♣
Hero???
このような状況は何度も経験したでしょう。ここはターンでスケアが落ち、相手はTAGフィッシュなので、古典的なダブルバレルを打つスポットです。
相手はプリフロップでコールをしたので、相手のレンジの多くはセットマインを狙ったペアと、時にはスロープレイをしているA&ブロードウェイやハイペアの場合もあるでしょう。そういうハンドの殆どはフロップでヒットしておらず、ターンでKが出ることも
嫌うでしょう。ここでダブルバレルを打ってコールされた場合も考えてみましょう
The river comes,
2♥
Hero???
ここは、もう1発打っていくかを考えるスポットです。相手はQQ-88のミドルペアのようなハンドで食らいついてるかもしれません。さらには、たとえ相手がターンでキングをヒットさせていたとしても、相手はWTSD22%ということを考えれば、トリプルバレルを打てば降ろせると考えることもできます。
もし彼が66や77を持っていてフロップでナッツを作っていたのでなければ、それ以外の相手のレンジ全てを降ろすことができるチャンスなのです。
#2
NL5 6max
Villain is a 19/16/2 TAGfish with a 22% WTSD, 75% Flop CBet, and a 60% Turn CBet.
Villain raises from UTG
Hero calls from the CO with 8♣8♠
The flop comes,
J♠6♥2♦
Villain CBets
Hero calls
The turn comes 9♠
Villain CBets
Hero???
再び、TAGフィッシュに対してブラフをするか考えられるスポットです。もう一度、自分自身に、こういうスポットで相手は何を持っている可能性有があるかを問いかけてみましょう。
6maxのUTGでレイズしたことから、一般的なレンジとしては22+,AK,AQ,AJ,KQが考えられます。また、スタッツから、ターンで60%のダブルバレルを打ってくる相手であるということがわかります。
しかしながら、このボードとレンジでは、彼がナッツ級のハンドを持っていることは少ないでしょう。ここで自信を持ってダブルバレルを打てるハンドはJJ,99,66,22だけでしょう。
相手がTAGフィッシュなので、ここはレイズをして我々のハンドをブラフに変える良いスポットだと思います。ここでもまだ、我々はここでは相手のタイプと相手のレンジだけを見てプレイしているので、我々の実際のハンドのバリューはそれほど問題ではないのです。
我々は、このボードでは相手が強いハンドを持っている確率は多くなく、また、相手は大きなプレッシャーに対してはたびたびフォールドする、ということを知っているのです。
またここでこのハンドについて言及すべきなのは、私がもしターンでレイズをコールされた場合、リバーのトリプルバレルを高い頻度で打つ計画だということです。このようにブラフ出来る機会を発見した場合、私はリバーを打たずにギブアップすることはあまり好きではありません。なぜなら、相手はこちらのターンレイズをAA,KK,QQ,AJあたりのハンドではコールするからです。
このようなTAGフィッシュのレギュラーは、これらのハンドがリバーで発展しなければ全てチェックして、もしさらに大きいベットを打たれた場合にはタフなレイダウンをするからです。
まとめ
以前書いたように、この記事の私の意図は、これらのステークスの典型的なレギュラーに対してブラフすることをおすすめしているわけではありません。とくに2NL~10NLのほとんどのレギュラーにこのようにブラフすることは、ウィンレートを大幅に下げることとなります。
それが、このようなプレイのターゲットを、モンスターハンドなしにポットに大きな金額を注ぎ込みたくないTAGフィッシュプレイヤーに限定している理由です。
これらのプレイヤーが最終的にこちらのブラフにアジャストしてきた場合、このようなスポットではブラフをやめることが重要です。このステークスの多くのプレイヤーは、もしなにか怪しいと思ったら、単に意地でコールしてくるようになります。
鍵となるのは、こちらが本当にハンドを持っているように相手が信じ続けることができるような、正しいラインを取ることです。
「マイクロステークスではブラフをするな」という古い格言は今日でも、特に最低レートでは真実です。しかし、特定の相手に特定のシチュエーションでブラフを活用することで、あなたのウィンレートを向上させることができるスポットが存在する、ということをこの記事で理解していただけたのなら幸いです。
【PokerStudie特別提携】今なら無料で3000円分ポイントプレゼント!ゲームで遊んで一攫千金できるサイトはこちら!
元記事はこちら
BlackRain79の著書① Crushing the Microstakes
BlackRain79の著書② Modern Small Stakes
ざっくり和訳 by Pokerstudie
The ABC of 2NL, part 8: Someone's opened the pot. Can I still play?
相手がポットをオープンした。ついていってもいいだろうか?
ここ数回の記事では、あなたが最初にポットをオープンする場合にプレイに参加できるかどうかについて主に書いてきました。ポーカーにおけるほとんどの場合、自分がベッター/レイザーになる方がよく、コーラーになることは分が悪いものです。これは、アグレッサーであるということがポーカーでは有利だからです。我々は、プリフロップでもポストフロップでも、コールしすぎないようにすべきです。
結局のところ、コーリングステーションでいることは長期的にお金を失うことです。それにもかかわらず、今回の記事は、どんなハンドでプリフロップのレイズに対してコールできるかを、理由とともに解説します。
ここでは、ブラインドディフェンスについては語りません。ブラインドディフェンスはとて複雑なトピックであり、数回に別けて書く必要があります。今回は単純に、自分がIP側で、オープンレイズに直面したケースのみに焦点を当てたいと思います。例として、MP1がオープンし、あなたがBUにいる場合などです。
オープンハンド≠コールハンド
私は、多くの初心者が、オープンできる強さのハンドがあれば、コールするにも十分あると考える、というミスを犯していると思います。大抵の場合、これは間違っています。
我々があるポジションからオープンできるハンドの多くは、自分より前のプレイヤーがすでにポットをオープンしていた場合、すぐに捨てるべきものなのです。例えば、自分がBUでKJを持っていて、自分までフォールドで回ってきた場合、私は100%オープンレイズします。しかし、このハンドでオープンレイズにコールしようとは決して思いません。
もしあなたが私が以前提示したEP/MPのタイトなオープンレンジを覚えているなら、そのほとんどがハイペアやA+ハイカードであることに気づくでしょう。EP/MPのポジションからレイズするAK,AJ,KQはKJやATのようなハンドをドミネイトしています。下手なプレイヤーはあなたのオープンレイズをKJのようなハンドでコールしてきます。そしてKハイボードでAKにバリュータウンへと連れて行かれるのです。
私がMP1のレンジとして薦めたのは6.2%のレンジであるということを思い出してください。このレンジは88+,AJs+,KQs+,AQo+です。このレンジに対してKJでどうやって対抗するのでしょうか?エクイティを計算してみましょう。
MP1 68.34% { 88+, AJs+, KQs, AQo+ }
BUT 31.66% { KJo }
KJはこのレンジに対して大きく負けています。相手のレンジの殆どに対してこちらのカードが1枚しか生きていない(要はドミネートされている)ことがその理由です。KJはショウダウンで1/3以下の勝率しか無いのです。だから、オープンレンジ6.2%に対してKJでコールするのは明らかに良くありません。
コールできるハンド
では、どのハンドでコールできるのか?
我々の直感に反して、我々はKJより低いカードでコールするほうが戦えます。理由の一つは、ドミネートされづらいこと、もうひとつの理由はフロップでトラブルに巻き込まれづらいことです。
プリフロップレイザーは「ハイカード」で、それよりも悪いペアやドローからバリューを取ります。これはつまり、ドローでトップペアに勝てるようなハンドでコールすべきということです。それゆえ我々は、セット、トリップス、ストレート、フラッシュを作れるようなハンドをプレイしたいところです。
例えば、もし相手が88+,AJs+,KQs+,AQo+であれば、我々は76sでコールする、ということです。相手のレンジに7や6はないので2枚のカードが使えます。トップペアを作れることは殆どありませんが、これは良いことでもあります。なぜなら、弱いトップペアに執着する必要は無いからです。
もしフロップがJ72rで、相手が大きいCBを打ち込んできた場合、我々は弱いペア、弱いキッカー、ドローもなしの状況です。我々は相手が最低でもJは持っていると推測できます。勿論オーバーペアやトップセットもありえるでしょう。
しかし、もしフロップがJ76であれば我々は2ペアがあり、相手は上の2ペアを持っていることはほぼ無いでしょう。なぜなら、相手のレンジにJ6やJ7は存在しないからです。負けているのはJJでセットを作られた場合のみです。
このようなボードでは、我々はAJ(TPTK)やQQ+(オーバーペア)を相手に大きいポットを取れます。76sのようなハンドは別の面でも扱いやすいでしょう。フロップで強いドローは作れるということです。もしボードがJ54ttであれば、OESDができ、場合によってはフラッシュドローも付いてきます。これも同様に、TPTKやオーバーペア相手に大きいポットを取れるチャンスとなります。
76sのようなハンドの最大の欠点は、フロップで2ペア、トリップス、強いドローになることは多くはないということです。これはつまり、プリフロップでコールし、フロップでヒットできなかった場合、相手から最大バリューを取れるのは稀なことだということです。この理由により、このような投機的なハンドをプレイするのは、フロップを安く見ることができ、潜在的な利益があるときのみにすべきでしょう。
投機的ハンドとインプライドオッズ
上記の話は「インプライドオッズ」と「リスクvsリターン」の事を言っています。投機的なハンドでは、我々はリスクを最小にし、リターンを最大にしたいところです。つまり、フロップを安く見て、モンスターハンド(ストレートやフラッシュ以上)を作り、相手をスタックしたいということです。
投機的ハンドはマルチウェイポットで利益になりやすいものです。それは、マルチウェイポットでは多くのプレイヤーは「素直に」プレイするし(ブラフCBをめったに打たず、フリーカードをもらいやすい)、ドローカードを引くコストがかかったとしても、ポットオッズが安くなるからです。
投機的ハンドは、エフェクティブスタックがディープになった時に価値が上昇します。もし相手が30bbしか持っていないのであれば、インプライドオッズはほとんどありません。あなたが3bbはらってプリフロップでコールしても、最大で30bbしか稼げません。あなたがモンスターハンドを完成させるのは1/11以下の確率と思えば、この10倍のインプライドオッズは十分ではありません。スーテッドコネクターでは、20倍以上のインプライドオッズが必要です。
コールするコストがいくらでも、エフェクティブスタックがそのコストの20倍以上でなければなりません。もし全員が100bb持ちなら問題はありません。我々は最大で5bbまでのコストであれば、長期的に見て利益を出すことが可能です。スーテッドコネクタで20回フロップを見れるのなら、その20回で100bb以上の利益を出せると予測できるからです。
セットマイン
その他の良い投機的ハンドとしては、ポケットペアがあります。特に2NLではかなりプレイが簡単なハンドで、それにもかかわらずとても利益になるハンドです。55のようなハンドで、相手がハイペアを持っていることがわかっているような状況では、わたしは喜んで3bbをコールします。
プリフロップのエクイティで、55がAAに勝つのは約20%であるということは気にすることではありません。なぜなら、こっちが勝っているのでなければそもそもショウダウンまでいかないからです!スモールペアでは、セットマインとしてプリフロップをコールします。われわれのたったひとつの狙いは、フロップセットを作り、TPTKやオーバーペアをスタックしてしまうことです。フロップでヒットしなければ(これは7/8の確率です)、降りるだけです。
セットマインについては単独で記事を書く予定ですが、とりあえず今は、あなたが知っておくべきことは、もしインプライドオッズが15倍以上あるのならば、セットマインで利益を出せる、ということです。
そして、セットをヒットできなければフロップで降りてしまって構いません。「ノーセット、ノーベット」とは、Joe Stapletonの言葉です。もしセットを引き当てたら、すぐにポットサイズのレイズをしてオールインできる最初のチャンスを待ちましょう。なぜならセットはモンスターハンドですが、できる限りファストプレイすべきで、ドローに安くカードを与えるのを防ぎ、トップペア以上から最大のバリューを引き出しましょう。
スーテッドエースの扱い
さて、これでKJがレイズにコールするのには悪いハンドで、スーテッドコネクタやポケットペアは良いハンドであるということがわかりました。他にも何かあるでしょうか?もちろんこれだけではありません。あなたがポストフロップで自制心を保てるなら、スーテッドAをコールすることも可能です。
スーテッドAでレイズにコールした場合、あなたの狙いはフロップで2ペア、トリップス、ナッツドローを作ることです。単に、Aをヒットして追い出されるだけではかなりコストが掛かります。
わたしのお薦めは、A-Tストレートを作れて強い2ペアも作れるブロードウェイキッカーと、A2-A5のようなハンドをおすすめします。A7sのようなハンドはトラブルハンドです。
もしスモールスーテッドAでレイズにコールした場合、あなたはフロップでコンボドローを作ることが可能です。例えばAc5cを持っていてフロップがJc4h2cなら、いろいろな方法で勝つことができます。Aをヒットさせてもいいですし、ストレートを作る3を引くこともあります。もちろんクラブが落ちればナッツフラッシュです。
相手のアクションにもよりますが、この状況では大抵の場合ターンは見に行くし、リバーもプレイします。もしフロップでAがヒットしたなら、たいていフロップはコールします。
しかしターンで2ペア、トリップス、フラッシュができなければ、ターンは打たれたらフォールドします。下に掲載した平均的なMPに対してプレイできるハンドのチャートで気をつけて欲しいのは、AQsのようなハンドも、A2sをプレイしている時のように注意深くプレイしなければならないということです。
もし2ペアやストレート、フラッシュにならなければ、Axxxのボードで2発めを打たれたら、AQsであってもフォールドするほうがいい場合もあります。AKや2ペアに負けている可能性が高いのです。
相手のタイプとポジション関係
相手のタイプやポジション関係によってコールレンジは変えたほうがいいか?勿論です。ルースプレイヤーに対しては、少しばかり広くコールしましょう。TAG/nitのEPからのオープンに対しては、AQoのようなハンドは即フォールドですが、ルースプレイヤーに対してはプレイできます。
実際、LAGに対してはAQoでバリュー3BETすることもできるでしょう。また、前に二人のプレイヤーがポットに参加していて、自分がボタンのような場合も、レンジが広くなります。ポットオッズもいいし、ヒットした時に巨大なポットを勝ち取れる可能性もあるので、スーテッドワンギャッパーやスーテッドブロードウェイなどもプレイできます。
投機的ハンドの原則
友人のRoland GTXが、プリフロップのコーリングレンジについて、素晴らしいアドバイスをフォーラムに投稿してくれました。彼の書いたことをまとめると、
我々は、以下の4つを満たした時のみ、投機的ハンドをコールすべきである。
- 2人以上のディープスタックのプレイヤーがすでにポットに参加している(インプライドオッズ)
- 自分がレイトポジションにいる(3BETされる可能性が少ない)
- フロップを安く見れそうである(3bbコールやオーバーリンプ)
- 持っているのは真に投機的なハンドである(J9sの様なスーテッドワンギャッパーや、T9oのようなオフスートコネクタはプレイしてはいけない)
みなさんにおすすめしたコールドコールレンジは、これよりも少しルースです。しかし、Rolandはわたしがプレイしているよりも高いレートをクラッシュしているプレイヤーですし、ポストフロップがまだ苦手な人にとっては、Rolandのルールのほうが安定するかもしれません。
もしあなたが投機的ハンドで利益を最大化し、損失を最小化するプレイが出来るか不安であれば、76sやA4sのようなハンドは、長期的にはマージナルな利益しか出せないものですし、単にフォールドしてしまうのが正解です。
また、Rolandの言うように、レイトポジションにいるときにだけコールするというのには、私も賛成です。HJが、投機的ハンドをコールして利益を出せるギリギリのポジションです。
また、私のトラッキングソフトによれば、EPのオープンにコールすることはほとんどのハンドでマイナスです。もしMP1で44を持っていて、UTGがレイズしてきたら、即フォールドして、もっといいセットマインのチャンスを待ちましょう。
コールドコールレンジのハンドチャート
下にいくつかのチャートをつけました。以前の記事のチャートと同じで、基本的にエフェクティブスタックが100bbである前提です。あなたはこのチャートを、自分の読みや、スタックサイズによって調整しても構いません。スタックがとてもディープなら、コールレンジを広げることができます。
オープンしてきた相手が40bb持ちのミッドスタッカーであれば、私は55で3bbオープンに対してはコールすることはありません。ヘッズアップであればインプライドオッズが足りないからです。
なお、以下のチャートは「プレイできる」ハンドであって、AAやKKなどのモンスターハンドも含まれています。もちろんこれらのハンドはプレイできます。レイズに対してAA/KKを持っている場合の標準的プレイは、3BETをして、プリフロップオールインにまで持って行くことです。
3BETについての記事も今後書きますが、ここで短くアドバイスをしておくと、2NLでは多くの場合、標準的バリュー3BETレンジはQQ+,AKです。しかし特定の状況では、これらのハンドもコールした方がいい場合があります(さらに稀な状況では、QQやAKを降りたほうが良い場合もあります!)。
JJやAQ、それに類する弱めのハンドは、時にはバリュー3BETができますが、それは今回の記事の範疇を超えています。以下のチャートでは、基本的にバリュー3BETできる/すべきハンドは、黄色で表示されています。コールできるハンドは青色です。
タイトなレンジ(例:vsEP,vsVPIP14%以下)に対してプレイできるハンド
このハンドマトリクスは全てのポケットペアとAKを含んでいます。これが、レイザーがEPもしくはニットである場合の標準的なコールレンジです。2NL/5NLでよくあるミスは、状況を全く考えずに、AKで機械的に3BETして、オールインまで持っていてしまうことです。
AKを持っている時に、EPもしくはニットに対して3BETするというミスはしないように注意してください。ハイペアとぶつかることが多く、お金を失ってしまうでしょう。
同じことはQQにも言えます。タイトな相手に対してはQQ,AKをコールし、できる限り相手のレンジを広いままにしましょう。もし相手がEPからオープンしたか、ニットであれば、3BETするのはKK+だけにしましょう。
平均的なレンジ(vsニットでない相手のMP/CO,vsVPIP20%以上)に対してプレイできるハンド
全ての良いスーテッドコネクタが加わります。また、スーテッドエースの一部も加わります。MP/COのオープンに対してのバリュー3BETレンジはQQ+,AKで場合によってはJJ,AQsも加わります。
ワイドなレンジ(vsCO,vsVPIP25%以上)、またはマルチウェイポットで自分がBUにいるときにプレイできるハンド
典型的なCOのオープンレンジはとても広く、そのためあなたはこのような広いレンジでバリュー3BETが可能です。また、特にマルチウェイポットで自分がBUにいる場合、多くのスーテッドワンギャッパーやスーテッドブロードウェイでコールすることができます。
もしCOとヘッズアップになったのであれば、AQ,AJ,KQアタリではトップペアを作ればそれだけでも十分です。これらのハンドを単にストレートやフラッシュのためだけにプレイするのはやめましょう。
ここで忘れないで欲しいのが、ワンペアしか持っていないのであればポットを小さく保つ、ということです。あなたがBUで、COのルースプレイヤーがオープンした場合、ライト3BETを慎重にプレイすることも可能です。
私はよく低いスーテッドエースやスモールペアをライト3BETに使います。これらのハンドでコールしても、相手が大きなポットを作りたくなるような強いハンドを作らないと+EVにならないからです(もし22をAQ2のボードでセットにしても、相手がQTのようなハンドを持っていたらスタックするのは不可能です)。
もしあなたがライト3BETに気乗りしなかったり、86sのようなハンドでポストフロップを上手く戦えない、と思ったのなら、その時はプリフロップでフォールドしてしまいましょう。
この記事が、オープンレイズに直面した時にどういうハンドをプレイできるか、理解するための手助けになれば幸いです。次回の記事では、あなたがオープンレイズし、3BETされた場合について書く予定です。それではまた次回!
【PokerStudie特別提携】今なら無料で3000円分ポイントプレゼント!ゲームで遊んで一攫千金できるサイトはこちら!
元記事 The ABC of 2NL, part 8: Someone's opened the pot. Can I still play?
https://www.pokerschoolonline.com/blogs/ArtySmokesPS/The-ABC-of-2NL-part-8-Someone-s-opened-the-pot-Can-I-still-play
Cash Catastrophes, Vol. 5: Over-Reliance on Verbal Tells
Cash Catastrophes, Vol. 5: テルを信じすぎた話
ハンド
NLHE$1/$2の私がいつも遊んでいる卓で、エフェクティブスタックは約97.5bb。私は相手をカバーしている。
BUのプレイヤーがリンプし、私はSBでKdKhを持って5bbにレイズした。BBのプレイヤーとBUがコールし、ポットは15bbになった。
この卓では、SBまでフォールドで回ってきたらSBとBBでチョップする。だからBBの彼は、BUがリンプした時に冗談っぽく「お、チョップブロッカーだ」と言った。このセリフで私は、彼は2ハイカードかポケットペアであると考えた。
フロップ 9h6d5c
私は10bbのベットをし、BBは20bbへとレイズした。BUはフォールド。
BBは2ハイではレイズはしないだろう。おそらくKK以下のポケットペアを持っていそうだ。KKやAAならプリフロップでレイズをしていただろう。私のハンドはQQ,JJ,TTに勝っていて、99,66,55に負けている。
しかし、彼のハンドはセットの可能性が高いように見える。このフロップはブラフレイズできるようなドローはあまり存在しない。同じ理由から、彼には私の3BETもとても強く見えるだろう。特に私はこの卓では一番タイトなプレイヤーで、私は「いつもハンドを持っている」と見られている。
ここでリレイズしたら、彼は弱いオーバーペアではヒーローフォールドするだろう。その上、彼にはドローの可能性は少ないから、ほとんどのターンカードは、彼が負けている場合に、逆転の助けにはならないだろう。加えて、わたしのアクションを止めてしまうようなオーバーカードはそれほど心配する必要はないし、そのうち2枚はわたしがブロックしているし、彼も同じだろう。ここはコールして、ターンで再評価しよう。
私はレイズにコールし、ポットは55bbにたった。
ターン 7d
わたしはチェックし、BBは35bbのベット。私は再び悩んだ。
これはセットの可能性がかなり高い。もうかなりフォールドに傾いている。しかし、もし彼がオーバーペアをこのようにプレイするなら、まだ彼のレンジには勝っている。ここでコールして、彼がナッツ以下のハンドを持っていて、リバーはチェックバックしてくれることを願おう。
私はコールし、ポットは125bbになった。
リバー Th
私はチェックした。BBは32bbをオールインし、私は泣く泣くコールした。
クソっ!思った通りセットを持ってたんだ。だけどリバーでこんなに小さいベットには降りられない。
BBはTd9dをショウダウン。
ナイスハンド。#greasefire(火事だ!)
問題
BBがプリフロップのレイズを待っていたような冗談を言った時、私はBBが2ハイカードやポケットペアを持っていると考えました。一回思ってしまうと、彼が他のハンドを持っている可能性を全く考えられませんでした。これが、私が彼のレンジを過大評価しすぎてしまった理由です。
私の考えでは、プリフロップでそんなセリフを言うような相手のレンジには、99以外の9xハンドは全く存在しないと思ってしまいました。もし私が彼のレンジにはターンで手が進むようなハンドが含まれていると考慮していたなら、フロップで3BETショブをしてハンドをプロテクトしていたでしょう。
レッスン
ライブポーカーをするときに、相手の言葉による情報を考慮することは正しいことです。しかし、全ての情報は、ある程度割り引いて考えなければなりません。
得た情報を使い、相手のレンジからある特定のカードの可能性を減らすことは構いませんが、完全にその可能性を消してしまうことはやめましょう。
元記事はこちら
The ABC of 2NL, part 7: Deviating from standard pre-flop raise sizes.
通常のオープンレイズサイズからの逸脱
前回の記事で、キャッシュゲームでの標準的なオープンサイズは3bb(リンパーごとに+1bb)と書きました。私はフォーラムなどで、完全な初心者には3bbオープンを薦めています。しかし、テーブルの状況により、サイズを変更させる事もできます。
もしテーブルの全員がTAGの100bb持ちレギュラーであれば、3bbでのオープンでよいでしょう。しかし2NLでは、クレイジーなマニアックから、何でもプレイするコーリングステーション、QQ+以外はフォールドするスーパーニットまで、様々なタイプのプレイヤーが卓にいます。そしてスタックサイズも250bbから、10bbでもまだリバイしない人まで、様々です。
スターズでよくあるスタックサイズは40bbで、これはいくつかのフォーラムが初心者は最小バイインでテーブルに着くことを薦めているからです。2人以上のミッドスタッカーがテーブルにいる場合、その人達が本来使うべきタイトアグレッシブなMSS戦術を使えていないような場合でない限り、離席します(わたしはビッグスタックのルースプレイヤーとプレイしたいのであって、ショートスタックのタイトプレイヤーとプレイしたいわけではありません)。
ベット/レイズサイズの微調整
私の経験上、多くの2NLのプレイヤーはベットサイズテルを見ておらず、自分のハンドしか見ていません。我々はこのリークを突いて、弱いハンドでコールされたくない場合には小さくベットし、コールしてほしい強いハンドの場合には大きくベットすることができます。1~2BB単位で増やしたり減らしたりしましょう。額的には大した事のないように見えますが、これを続けることにより、あなたの収益は改善されます。
「チェック/フォールド」プレイヤーに対する小技
あなたがBUにいて、65sなどの弱いカードを持っていて、ブラインドがニットであったり、ショートスタックであったりする時などが、通常より小さいレイズサイズを選択する一つの状況です。私はその場合2,5bbでオープンし、安い値段でスチールをしにいきます。ショート/ニットなブラインドが反撃してきた場合は、フォールドして損失を最小限に抑えます。
これらのブラインドにいるプレイヤーは、多くの場合私がアクションをする前に「チェック/フォールド」を選択しているので、彼らはこのフロップを見るための「割引価格」を見ることすらないのです。特にZOOMはニットが多いので、BUからは2bbオープンですらスチールが成功します。試してみてください。
こうやって小さいレイズサイズだと、ブラインドで多くコールされてしまうように思えるかもしれませんが、そういう人は私の前回の記事に載せたスチール成功率をご覧ください。その100kハンドの大部分で、私のBUから(時にはCOからも)のオープンサイズは2.5bbです。BBに魅惑的なポットオッズ(2.67:1)を与えているにもかかわらず、半分以上はフォールドされるのです。
SPR
また、小さいレイズサイズは、SPRを高く保つという意味もあります。あなたがLPから度々レイズするマージナルなハンドは、SPRが高いほうが有利です。もしあなたが同じ状況でもトップレンジに近いハンドを持っている場合、標準の3bbオープンに戻しましょう。ポストフロップで(大きな額を)勝つためにポットを作り始めるのです。
ルースプレイヤー/フィッシュへのエクスプロイト
また、レイズサイズを変更する戦略の優れている点は、我々が強いハンドを持っていて、コールされそうな場合です。典型的な例としてはルースなプレイヤーが既にリンプインしていたり、自分の左にいてアクションが残っている場合です。ルースプレイヤーはブラインドを「ディフェンス」することが多く、ブラインドにいる場合はコールすることが安いというだけで多くのクズ手でコールします。我々は、モンスターで大きいサイズのオープンをすることで、彼らのルースなコールにエクスプロイトできます。
もし私が、ブラインドのプレイヤーがフィッシュだとわかっている場合、QQ+をEPやMPで持っていれば、4bbオープン、特には5bbオープンさえします。このサイズでは複数のプレイヤーにコールされることは少なくなり(レギュラーはモンスターハンドと気づく)、ルースコーラーとのヘッズアップに持ち込めるでしょう。
相手はたいてい弱いハンドを持っており、フロップでも弱いままのことが多いでしょう。相手が弱ければ3つのストリートでバリューを取ることができないので、我々はプリフロップで最大のバリューを取りに行きます。
例えば、私がUTGからKsKdで5bbオープンしたとします。SBのルースパッシブプレイヤーまでフォールドで回り、SBは9h7hでコールしました。BBもフォールドし、フロップで11bbのポットになりました。フロップでSBを打つとSBはフォールドし、私は6bbの利益を得ました。このバリューはプリフロップで発生しているのです。
もしわたしが3bbでオープンした場合、利益は4bbです。フロップまでしか進んでいないのにもかかわらず、大きいオープンレイズが2bbの追加の利益を生みました!もしフロップでコールされたら、ターンとリバーでポットは更に大きくなり、ポットベット-ポットベット-ショブというラインでスタックすることすら可能だったかもしれません。
リンパーへのアイソレート
同じような効果は、リンパーをアイソレートするときにも働きます。そしてこれらのケースでは、相手がフィットオアフォールドのポストフロッププレイをしているかどうかを知ることが大きく役に立ちます。
もし相手がリンプ/コールを多用する場合で、50%以上フロップのCBにフォールドするのなら、あなたはプリフロップで大きいサイズのアイソレートレイズをして、100%の頻度でIPからフロップCBを打って、相手のフォールドを期待するというプレイができます。
「プリフロップでリンプ/コール、ポストフロップでチェック/フォールドする」というプレイヤーは、基本的にテーブルに小銭をばらまいていく存在です。それを拾うのがあなたの仕事なのですから、急いで彼らをアイソレートしましょう!
Blackrain79の手法
あなたはもしかしたら、Nathan 'Blackrain79' Williamsの名前を聞いたことがあるかもしれません。フルリング2NLで世界一勝っている人間です。彼は200万ハンド以上をプレイし、とても高いウィンレートで数千ドルを稼ぎだしています。彼の勝利は、オーバーベット(プリフロップでもポストフロップでも)の使用によるところが大きいでしょう。
彼の著作によると、特にルースな相手に対し、彼はAKやハイペアで、異常なくらいの大きいプリロップレイズをします。私は彼をテーブルで見かけた場合には同卓を避けますが、彼と同じ戦略を使っている人を見かけることはあります。その内の一人に関しては私は完璧に読めていて、彼はポジションや前のアクションに関係なく、常にAAで13bbオープン、KKで12bbオープン、QQで11bbオープンをします。最初は彼がAAで13bbのオープンレイズをしているのを見た時に非常に奇妙に思いました。
というのも、私はそんなベットサイズには決してコールしないし、バリューを逃していると思いました。ところが実際には、多くのプレイヤーがそのようなオーバーベットをコールするのです。彼は実際のところ非常に下手なプレイヤーで、36/6のようなスタッツで、ポストフロップのいたるところでお金をばらまいています。
しかし、モンスターでオーバーサイズオープンをしているというだけで、彼は長期的には利益を出しています。私は皆さんにこのようなハイペアでの10bbオープンをお薦めはしませんが、特定の理由があれば、ウィンレートを上げるためにオープンサイズを大きくすることはお薦めします。
ポストフロップでもオーバーベットは試せますが(PSOメンバーのSandtrapが上手くいっているようです!)、この記事の趣旨からは外れてしまいます。このシリーズがポストフロップのセクションまで進んだ時に、私のハンドリプレイヤーでオーバーベットの例をお見せする予定ではいます。
ノートを取ろう
今後は、相手が標準から外れるオープンレイズサイズを使用してきた場合、ノートを取って、そのサイズが何を意味しているかを確かめましょう。例えば、ある相手がJJ(相手にフォールドしてほしい)の時に5bbオープンをして、AA(相手にアクションしてほしい)のときに2bbオープンをしたのであれば、それを知っていればハンドリーディングにとても役立ちます。
同様に、60%のハンドで2bbオープンをするマニアックが突然UTGからリンプしてきたような場合などに、AAを読むというようなことが簡単にできます。
次回の記事では、プリフロップで相手のオープンレイズに直面した場合の、コール/3BETレンジについて書きたいと思います。それまで、テーブルで頑張っていてください!
【PokerStudie特別提携】今なら無料で3000円分ポイントプレゼント!ゲームで遊んで一攫千金できるサイトはこちら!
元記事 The ABC of 2NL, part 7: Deviating from standard pre-flop raise sizes.(2013/5)
https://www.pokerschoolonline.com/blogs/ArtySmokesPS/The-ABC-of-2NL-part-7-Deviating-from-standard-pre-flop-raise-sizes
Cash Catastrophes, Vol. 4: Hero Calling Unexpected River Bets
Cash Catastrophes, Vol. 4:予期せぬリバーベットにヒーローコール
ハンド
NLHE$1/$2の私がいつも遊んでいる卓で、エフェクティブスタックは約175bb。
2人がMPからリンプし、カットオフの私まで回ってきた。ハンドはQc9c。私は10bbにレイズし、SBのみがコールした。ポットサイズは23bb。
フロップ Kh9d2d
リンプしてきたことから、MPのプレイヤーたちはフロップを安く見たいだけで、大したハンドは持っていないと思った。そして彼らを降ろそうと、マージナルなハンドでレイズした。だからSBがコールしたのは驚いてしまった。おそらくミドルポケットペアか2ブロードウェイというところだろう。
SBの彼はチェックし、私は15bbをベット。彼はコールし、ポットは53bbになった。
ターン 5d
フロップをコールしたので、彼のレンジはおそらくKx、フラッシュドロー、ミドルポケットペアだろう。ターンでベットフォールドのラインを取ろう。コールされたら、リバーはチェックバックだ。
彼はチェックし、私は20bbをベット。ポットは93bbになった。
リバー kc
彼は50bbのリードベットを打ってきた。
おいぃ!チェックバックさせてくれよ。こんなの想定外だ。よーし、よく考えなければ。コイツはターンでフラッシュならレイズしてきて、Kxではそうしなそうだ。そして今、そのKのうち2枚はボードに落ちた。おそらく3:1でこっちの勝ちだろう、ならコールしなければいけないな。
私はコールした。そして彼はAdTdをショウダウン。
問題
SBが私の大きいレイズにOOPでコールした時、彼のレンジが強いことはわかっていました。フロップでのCBは問題無いと思います。なぜなら、彼のレンジのうちの多くはセットを作りたいミドルペアが含まれていますし、私もAKをリプリゼントしやすいからです。
問題は、このCBにコールできる相手のハンドがどれだけ強いかということに気づくべきだったと言うことです。プリフロップの大きいレイズをSBという最悪のポジションからコールし、完璧に私のレンジにマッチしているボードでの大きいCBにもコールしたのです。ここで私はスローダウンすべきでした。
しかし実際には、私は気乗りせずもターンCBを打ってしまい、それはポットを美味しくしただけでした。フラッシュが完成してしまったボードでは、このベットでは自分より弱い手にコールしてもらうことも、自分より強い手にフォールドしてもらうこともできません。私はここでチェックすべきでした。しかし、最悪のミスはここではなく、リバーです。
彼がリバーでリードベットしてきた時、彼のアクションはハンドを持っていることを意味していました。彼のレンジはここではかなり強いものです。と言うのは、ターンとリバーは、フロップをコールするハンドの多くを進展させるものだからです。フラッシュドローは完成し、Kxも今やトリップスです。
言うまでもなく、このレートでの$100(50bb)は危険なほど大きいものです。そして、スモールステークスでのリバーの大きいベットは、大抵の場合本物です。
ここでフォールドすることではエクスプロイトはされません。なぜなら私のこのハンドは、私のリバーのコールレンジのうちの上位ではないからです。ここでギブアップしても、彼がこの、セカンドペアより弱いハンドでブラフしてくることはめったに無いでしょうから、フォールドしすぎにはならないでしょう。
レッスン
ポーカにおいて学習がどう作用するかは面白いものです。あなたにはエッジがあるのでしょう。だからこそあなたは、テーブルにおいて相手を完璧に支配していると思ってしまうでしょう。
しかし物事が計画通り進まない時に、あなたは疑り深くなってしまい、相手がこちらを騙そうとしていると考えてしまいがちです。しかし、ハンドをパッシブにプレイしていた相手が、突然目覚めて主導権を取ろうとしてきた場合、彼らはあなたを降ろそうと思っているのではない、ということをあなたは理解しなければなりません。
大抵の場合、相手は単にハンドを持っているのです。
Photo: “Tearing Money,” TaxCredits.net. Creative Commons Attribution ShareAlike 2.0 Generic.
元記事はこちら
Ode to Game Theory – How Game Theory revolutionized the way I approached Poker
Ode to Game Theory – ゲーム理論がいかにして私のポーカー観を変えたか
最近、どうやればプレイを改善できるかというとても多くの質問が来ます。
「どの本を読むべきですか?」
「どのビデオを見るべきですか?」
「どのスポットに注目すればいいですか?」
私もまたこのような類の質問に関してのあまり意味のないアドバイスを2+2やredditなどで読んで、少しばかり困惑したこともありました。今回の記事は、これらの疑問を解決してもらうために書きました。
暗黒期
2012年、私は必死にポーカーをしていました。プレイの後には頻繁にセッションレビューを行い、プレイを改善させようと足掻いていました。自分でも壁にぶち当たっていることは理解していたのです。一般的でない状況に出くわすたびに、何もわからなくなっていました。
「コイツはトリプルバレルしすぎだろ。どれだけ広くリバーでコールダウンすればいいんだ?」
「相手は上手くてアグレッシブだとわかっている。とは言っても、このリバーの超オーバーベットは何なんだ?だれもこんなブラフは打たないだろうけど、コールしたほうがいいのか?素直に降りか?」
「BBはターンでチェックしてリバーでレイズ。このラインは意味不明だ。ナッツを持っていてターンでチェックビハインドするのか?これじゃレンジが全く読めない」
このようなことが起こるたびに、吐きそうになっていました。このような疑問に対し、納得の行く答えが全く浮かばなかったのです。
失い、そして発見した。
2013年には、ポーカーフォーラムではゲーム理論がホットなトピックになりつつありました。皆、GTOプレイとエクスプトイトプレイのメリットとデメリットを議論するのが大好きでした。GTOプレイの有効性について、互いに超長文を投稿して激論を交わすのが日常茶飯事でした。
ある時には、「GTOはマイクロでは無意味だ。相手にエクスプロイトしてEVを最大化できない」という記事を目にしたと思えば、またある時には、トッププレイヤー達がGTO的なアプローチの素晴らしさを謳いあげているのを目にしました。
私は結局、あるプライベートコーチにコンタクトを取り、彼に6時間で$1600のGTOに関するコーチングを受けました。そしてそれは、疑う余地もなく、わたしのキャリアを通して最高に価値のある6時間でした。
古代の人々は未知のことを説明するために、神や超自然的存在を使いました。そして今、私はついに自分の「神」をゲーム理論において見つけ出したのです。つまり、ポーカーにおいての未知のことに関する、自分なりの答えです。
初めて、100万回に1回しか起こらないようなスポットに対して取り組めるようになりました。
初めて、全ての状況に対しての最適なベットサイズを導き出せるようになりました。
初めて、超アグレッシブなマニアックに対処する適切なフレームワークを身につけました。
初めて、相手の傾向に対してどうすれば(最適に)エクスプロイトできるかを学びました。
なぜゲーム理論が笑えるくらいすごいのか
- あなたに莫大な量のポーカへのアプローチのフレームワームを与えてくれる
- 強いプレイヤーに対してあなたのEVを最大化する不変の原理が学べる
- 全てのストリートにおいてアグレッサー、コーラー両方のレンジを構築することができる
- ブラフとバリューの比率のバランスの取り方を学べる
- アンノウンに対する基本的なゲームプランを向上させられる
- エクスプロイト的プレイも改善させられる
ゲーム理論に対する誤解
このセクションでは、ゲーム理論に対するよくある誤解を解決したいと思います。
1.ゲーム理論は良くてもブレイクイーブンにしかならない。
この誤解は、ゲーム理論の普遍性、基本的なコンセプトを説明する場合に、ジャンケンを例に出すことが多いことが原因になっています。そして実際にその例でのジャンケンにおけるEVは0です。これは言い換えれば、両方のプレイヤーが最高でもブレイクイーブンであるということです。
しかし、ポーカーとジャンケンは全く異なるゲームです。ポーカーは対称的ゲームではないし、そう考える仮説は間違いだと証明されています。
2.マイクロステークスでは エクスプロイト>GTO である。
相手にエクスプロイトして利益を最大化することに専念すべき。この議論は1.の誤解と合わせてよく行われるものです。ここで一番注意してほしいことは、エクスプロイト的プレイとGTO的プレイは、相反するものではないということです。実際、GTO戦略は他者に対してバランスを取った上で最大にエクスプロイトしていくものなのです。
また、あなたはアンノウンに対してプレイする時に、多くの状況でリーディングが難しいことに気づくと思います。それらの状況で、誰に対しても使える、エクスプロイトされない戦略を使わないのですか?それともそれ以外にいい方法があるでしょうか?
まとめ
A.サボる言い訳をするのをヤメましょう
私は、GTOを即否定する人々の多くは、単に労力と時間を自己の向上に割きたくないだけだと思っています。GTOは役に立たない、無用であると書くことは、GTOを実戦レベルまでマスターするより、はるかに簡単です。
B.基本的ゲームプランを理解することは、エクスプロイト的プレイを上達することの手助けにもなる
例えばあなたの相手が、バレルの頻度において標準よりもわずかにアグレッシブに偏っているとします。この場合に彼のリバーベットをどれくらい広くコールダウンすべきでしょうか?
この判断をするために私がすることは、それぞれのストリートでの相手のベットサイズに対するデフォルトのコールレンジを作り、そこから相手に合わせてコールダウンレンジをわずかに広げるということです。
あなたがプリフロップのシチュエーションでどういう標準的なゲームプランを進めるかを構築するだけで、ゆうに100時間以上はかかってしまうでしょう。しかしそれをやり遂げれば、素晴らしい見返りを受けるでしょう。
標準的ゲームプランは誰に対してどんな状況でも取り組むことの手助けになってくれますし、特にアンノウンに対して有効です。それに対し、稀にしか起こらない特定のスポットで最大にエクスプロイトする戦略を考えるために時間を使うことは、はるかに非効率的です。
例:相手(27/20/10 CB率 F70/T60/R60)が全ストリートでポットサイズのバレルを打ってきた。ボードはAK623。我々はA5を持っている。コールすべきか?フォールドすべきか?
・エクスプロイト的アプローチ
OK、彼はリバーをコールするのに33%のポットオッズを与えてくれている。彼のワイドなプリフロップレンジ、ターンとリバーのバレル率から基づいて考えると、6ハイフラッシュドローと全てのストレートドロー以上があれば何でも打ってきているだろう
彼のリバーのレンジには多くブラフが含まれており、33%以上のエクイティがあると思うので、ここはコールしよう。
翌日、我々は全く同じスポットに出くわしたとします。違いはただひとつ、相手がニットであるということです。「クソったれ!」と思いませんか?あなたは昨夜、20分も使ってA5をコールダウンするかどうかを考えました。しかし今、昨日考えたことは全く助けにならないのです。
・GTO的アプローチ
OK、彼のベットはポットサイズだ。なら我々は自分のブラフキャッチャーの上位50%でディフェンスして、彼のブラフを無効化しよう。
私のここでのブラフキャッチレンジの上位50%の境目はA7だ。そして彼は標準よりはルース/アグレッシブなプレイヤーだから、このレンジを少し広げて、A5でもコールできる。
翌日、我々は全く同じスポットに出くわしたとします。我々はすでに標準的なレンジに対してコールレンジの境目がA7であることを知っています。この相手はかなりニットなので、単純にタイトにアジャストして、ブラフキャッチをAJ+でしかしないようにします。
どうやって学ぶか?おすすめの本やビデオは?
おそらくあなたはまだ、私が最初に書いたこの質問に関して答えていないと思うかもしれません。私の答えはシンプルです。ゲーム理論に関連する教材に集中しましょう。
おすすめの本
Headsup No Limit Hold’em by Will Tipton,
Applications of No Limit Hold’em by Matthew Janda,
The Mathematics of Poker by Bill Chen and Jerrod Ankenman
おすすめのビデオ
「Sauce123」、「Lefort」、そして「Internet」が近年ではトップ3のNLHEビデオ作成者でしょう。
これが今私に言えることの全てです。
元記事はこちら
Cash Catastrophes, Vol. 3: Folding Aces Leads to Paranoia
Cash Catastrophes, Vol. 3: AAを降ろされたトラウマから妄想が暴走
ハンド
NLHE$1/$2の私がいつも遊んでいる卓で、エフェクティブスタックは約150bb。
一人がリンプし、カットオフの自分まで回ってきた。私のハンドはQcJc。私は5BBにレイズし、BBがコール。リンパーはフォールドした。ポットサイズは11.5bb。
フロップが配られるまで、相手と、この状況について考えていた。
相手は高齢の紳士で、前に同卓したことがある(はず)。ルースな感じだったな。たしかその時はAhAdを持っていて、KsTs9c8sのボードでターンチェックレイズされて降りたんだよなぁ。
フロップ Qs5c2d
相手はチェックして、私は7.5bbをベット。コールされ、ポットは26.5bb。
今の所、特に怪しい動きはない。彼にはQQ-55あたりのペアと、OESDの可能性がある程度だろう。
ターン 5d
相手はチェックして、わたしもチェックバックした。ポットは26.5bbのまま。
こっちが勝ってそうだな。ただ勝っているハンドから3発取れるハンドじゃあない。もし2ストリートしかバリューを取れないのなら、ターンチェックすればリバーでの
彼のブラフを誘えるし、こっちのリバーのベットをブラフと思って広くコールしてくれるかもしれない。OESDだけが怖いけど、それもこのボードペアで価値は落ちた。
リバー Kc
相手はチェック。
彼が打ってこないなら、まずこのKでまくられていることはないだろう。だけどこれで彼の77やQ8がコールしてくれなくなったかもしれないな…う~ん… チェックバックしてもいいけど…。
もしくは…
彼がもし、このカードはブラフに最適なカードとこっちが考えていると読んでくれていれば、Kをリプリゼントしたブラフっぽく見える大きめのベットを打てるかな。よしそうしよう!このプランは最高だね!
私は22.5bbをベット。相手は少し考え、72.5bbまでレイズした。
ああ…こりゃ最高にヤバい状況だ。何てこった、コイツはリバーでレイズできるくらいの強いハンドで2回チェックしてきたのか?
こっちがリバーもチェックバックする心配はしなかったのか?まあコイツは所詮$1/$2のプレイヤーだ。OOPで強いハンドを持ってて2回チェックするなんて無理だろう。多分こっちをブラフと思ってリブラフしてきてるに違いない。特に前にやった時にこっちのAAを降ろせてるんだからな。
私はコールした。そして彼は5s4cをショウダウン。
なんて私はバカなんだ。恥ずかしい。ナイスハンドだよ。
問題
どこから始めましょうか?私はこのハンドでは3回、自分の考えに逆らうべきでした。
私は彼が上手いプレイヤーだと考える証拠は全くありませんでした。だから私は、彼が私のハンドについて、私が思っているようなことを考えていると想定して、彼の考えを推測すべきではありませんでした。
私は彼が弱いハンドを持っていると確信していました。だから彼がクライングコールしてくれることを願い、小さいベットを打つべきでした。
チェックレイズされた時、また自分に逆らってしまいました。もし彼が私のリバーベットをブラフと考えていたのなら、ショウダウンバリューのある多くのハンドでジャストコールしたでしょうし、ハンドが何もないならリブラフはしないでしょう。
彼はまた、弱いショウダウンバリューがあるハンドをブラフに変えることもしないでしょう。ここは$1/$2の卓なのです。彼のリバーのチェックレイズにはほとんどブラフはなく、私が以前遭遇した、今回の読みに導いてしまったターンのチェックレイズも、ブラフではなかったのでしょう。
私がAAを持っていた時に彼がチェックレイズをしたということだけでは、彼が私にブラフをしたという理由にはならないのです。実際その時には、私のAAに対して最悪のボードだったわけです。
大抵の場合、ワンペアでは負けていたでしょう。実際、AAをベットフォールドした時は、彼のチェックレイズはリブラフだ、などという考えは全くよぎりませんでした。
AAをフォールドさせられることは猜疑心を産みます。あなたは一晩中そのハンドを待ち続けているし、来た時にはスタックして勝てると期待してしまうものです。そしてそれが計画的に進まない時、誰かに何かを盗まれたように感じてしまいます。しかし結局のところ、あなたはワンペアをクラックされただけなのです。
自己中心すぎとは思いませんか?このようになってはなりません。
レッスン
スモールステークスのゲームにおける、めったに無いような状況を深読みし過ぎてはいけません。ほとんどの場合、アンノウンの相手のアクションは見たままの通りで、特にそのアクションがめったに起きないようなリバーチェックレイズというアクションならなおさらです。
もし私が、相手は変則的なプレイをしていると思ったら、その証拠を探す必要があります。そして、そのようなプレイにアジャストすべきである、という十分な証拠が見つかるまでは、それに大きくアジャストするようなことは避けるべきでしょう。
元記事はこちら