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The ABC of 2NL, part 4: The importance of position when forming your pre-flop strategy

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プリフロップ戦略構築におけるポジションの重要性

もしあなたが対戦相手をバリュータウンに連れて行きたいなら、フロップを上手くプレイできるようなハンドでプレイすれば、上手くゆくでしょう。今週、おまちかねのスターティングハンド表を公開するつもりでしたが、プリフロップ戦略について書くことは「これがあなたのポジションです、そしてこれがあなたのハンドです。さあお金が儲かりますよ」と書くような単純なものでないことに気づき、その前に前提となる記事を書きました。

初心者には、何故あるハンドがある状況でプレイできるかを理解することがとても勉強になると思います。もし私が超長文を書いて、さらにチャートまでつけたら、初心者は消化不良をおこしてしまうでしょう。ですので、プリフロップ戦略の前提となる知識についての記事を書くことにしました。オープンレイズチャートとそれに関するアドバイスについては、数日待ってください。

記事で使われる様々な略語

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そのハンドをプレイする理由

具体的なハンドチャートを見る前に、今回はあなたに、あるハンドをプレイできる理由を考えてほしいと思います。

明らかに、それぞれのハンドには相対的なハンドの強さが存在します(だれでも知っている通り、AAでレイズするのは+EVで、72でレイズするのは-EVです)。しかしそのハンドをプレイできるかを考慮するためにはそれだけではなく、ポットをオープンする前に、後ろにアクションが残っているプレイヤーの数、プレイの傾向、スタックサイズとポジションなどを考慮しなければいけません。

 

インポジションのメリット

完全な初心者ですら、ポストフロップをインポジションで戦えることは利益的であると、直感的にわかるでしょう。多くの人はあなたに、ポジションがあれば、「他のプレイヤーが何をするかを先に見ることができる」から、有利であると教えるでしょう。これは本当のことですが、ただし、情報だけではそれをお金に変えることはできません。

おそらく、インポジションにいることの最大の利点は、ポットサイズをコントロールできる、という点にあります。あなたか対戦相手が既にオールインをしているのでなければ、相手がベットしてきた場合に、更にそれ以上ポットにお金を入れるかどうか、あなたが選択できます。もしハンドが強ければ、レイズして巨大なポットを作り出すことができます。ドローハンドであれば、ドローが完成する確率と、コールするためのポットオッズを計算して、何が+EVかを知ることができます。

弱いハンドを持っていて、ブラフで相手を降ろせそうにないと思えば、単にフォールドし、損失を最小化することができます。もし相手がチェックしてきたら、バリューベットやブラフベットを打てるし、チェックビハインドすることもできます。これは弱いハンドやドローを持っている時に理想的です。なぜなら、あなたは追加のお金を払う事なしに、マージナルな状況でショウダウンに1ストリート近づくことができ、さらにフリーカードがあなたのハンドを発展させるかもしれないのです。

 

アウトオブポジションのデメリット

アウトオブポジションに居る場合には、これらの利益は全て失われます。インポジションにいる対戦相手がポットサイズをコントロールでき、インポジションにいる時と全く同じハンドだったとしても、同じ利益を出すことはできないのです。この理由は様々ですが、以下のように大きな原因を書き出してみます。

  1. OoPでベストハンドを持っていてバリューベットをした場合、相手は降りることもできる。その場合、あなたはお金を得ることができない。もし相手が料金を払いたくなければ、バリュータウンに連れて行く事はできないのです!勝つ場合もたいていは小さいポットで、プリフロップのお金しか手に入らないことが多いのです。
  2. OoPで良いハンドを持っていてバリューベットをした場合、相手はそれ以上に良い手の場合にレイズできるし、ハンドを持っていない場合でも、ベストハンドをリプリゼントしてブラフできる。
  3. もし、OoPでマージナルハンドを持っていて、ポットコントロールのためにチェックした場合でも、相手はポジションを利用してベットでき、そうなった場合、結局プレイし続けるためにはポットにお金を入れる必要があります(あなたはポットを小さく保ちたくても、相手はポットを大きくできる)。
  4. もし、OoPでドローやマージナルハンドを持っている時に、チェクビハインドしてフリーカードをもらったり、安くショウダウンに向かうことができない。あなたは、インポジションの相手がそうしてくれることを祈るしかできないのです。

このシリーズを通して、スタンダードなラインを取って難しいスポットを減らす、わかりやすいプレイスタイルをお薦めしていきます。OoPでプレイすることは、変則的なポストフロップのスポットに巻き込まれることが明らかに多くなるので、OoPにいる時は「トラブルハンド」を避ける方がいいでしょう。今後このシリーズで、「トラブルハンド」についてもお話します。

OoPでプレイしづらい種類のハンドというものが存在します。ハンドランク下位のもので、投機的、ともいわれるものや、ドローハンドがそれに当たります。スーテッドコネクタがその典型例です。スーテッドコネクタは、もし5枚のコミュニティカードが安く見られるのであれば、ストレートやフラッシュ等の強いハンドを作ることができます。しかし、もしあなたがOOPなのであれば、ポットを小さく保ち続けるのは難しく、そして、上で書いたように、最終的にモンスターハンドを作れたとしても、それに見合う額を相手に支払わせるのが難しいのです。

 

実戦データで見るIPとOoP

もしハンドがプレイできるかどうか考える際に、ポジションが一番重要ということを理解できないなら、私の2NLでの100kハンドに及ぶサンプルの、ポジションごとの損益を見てみてください。

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一番利益を出しているのがボタンで、そこでは私は65sやT9o位の弱いハンドでもオープンします。成績ば一番悪いのはブラインドです。FRにおいてブラインドはだれでも負けるポジションです。

しかし、EP+1(9人テーブルではここがUTGです)の数字を見てください。UTGからは、私はとても強いハンドしかプレイしていないのにもかかわらず、$1.9の利益しか出ていないのです。信じようが信じまいが、JJでのオープンですら、赤字になっています。

ここから推測できることは、インポジションで弱いハンドでプレイをすることのほうが、アウトオブポジションで強いハンドでプレイするよりも利益的である、ということです。

9人テーブルのアーリーポジションにおいてオープンして利益を出せるのは、かなり限られたハンドのみです。OOPで稼ぐことはかなり大変なので、初心者は、OOPでのプレイが微妙に+EVな程度のハンドでプレイをするのは避けるべきだと思います。

我々は、ポストフロップでインポジションで戦うことができそうな状況で、より多くプリフロップでオープンレイズすべきなのです。なぜなら、インポジションでプレイすることはOOPよりも単純で、相手の行動も予測しやすいからです。また、フロップでマルチウェイになるよりも、ヘッズアップになるほうがよいでしょう。これは、複数を相手にするより一人を相手にした場合のほうが、より簡単にポットを勝ち取ることができるからです。あなたがレイトポジションでオープンした時には、後ろの人数が少ないので、アーリーポジションでオープンした時よりもマルチウェイになりづらいという利点もあります。

 

オープンレンジそのものよりも何故そう構築したかの理解が重要

私が次の記事で書く予定のオープンレイズレンジは、かなり「バランスのとれていない」ものです。2NLの平均よりもEPはかなりタイトで、LPではかなりルースです。

もっと上のレートでは、注意深い相手に対向するために、スーテッドコネクタやスモールペアもレンジに入れて、バランスを取る必要があります。しかしここは2NLであり、このプレイでエクスプロイトしていけるのです。

私のチャートに機械的に従ってプレイするだけでも、おそらく利益は出るでしょうが、私が読者にもっとも重要であると思うことは、このオープンレンジがどうやって作られたかを理解することです。それができれば、自分のプレイスタイルに適応させたり、更に重要な事としては、テーブルにいる相手に合わせて調整することができるようになるのです。

例えば、あなたのいるテーブルの相手の傾向がルースパッシブであるなら、トップペアを作りやすく、ヒットしたらバリューベットを打てるようなハイカード系でより多くオープンすることができます。

逆にもしテーブルがかなりタイトなのであれば、ブラインドをスチールするためにある程度オープンレンジを広げることができます。プリフロの3BETが飛び交うようなアグレッシブなテーブルなのであれば、基本的にはレンジを狭くし、3BETに対抗できるようにするべきでしょう。マージナルなハンドでオープンし3BETに降り続けることは、お金を失い続けることになるからです。

 

スターティングハンドチャートの前提

ポジションごとのハンドチャートは数日以内に投稿しますが、もしあなたがカードマトリックス表を見たことがなければ、最初は混乱するかもしれません。下の図が理解の役に立つと思います。

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私はテーブルの状況によってオープンレンジを変えてはいますが、スターティングハンドチャートは2NLの100bb持ちのランダムプレイヤーと9人卓でプレイすることを想定して作っています。

特に気をつけて欲しいのは、チャートは9人卓が満席になっている前提ということです。もしテーブルに空席があったり、シットアウトしているプレイヤーがいる場合は、自分のポジションをボタンへ一つ近づけて読み替えてください。例えは自分がUTGにいて、一人抜けの状態なら、自分のポジションをUTG+1と読み替えるということです。もし複数プレイヤーが同時にスタックされたりしていなくなると、テーブルに6人しかいない場合もありえます。この時に2番めのポジション(後ろに4人いる)なら、HJ(MP3)にいる、と読み替えるわけです。

オープンレイズの標準サイズは3bb(2NLでは6セント)です。前にリンパーがいる時は、その人数につき1bbを追加してください。リンパーが一人いた場合は4bb、二人いた場合は5bbのように。標準的なサイズから逸脱する特定の理由などもありますし、レイズではなくオーバーリンプする場合もありますが、それについては後の記事で述べます。

上手く行けば、この記事でプリフロップの戦略とともに、ポジションの重要性について焦点を当ててこれたとおもいます。ですが、チャートそれ自体と合わせて書きたい情報はまだまだあります。

 

それではまた次回。グッドラック!

 

元記事 The ABC of 2NL, part 4: The importance of position when forming your pre-flop strategy (2013/4)
https://www.pokerschoolonline.com/blogs/ArtySmokesPS/The-ABC-of-2NL-part-4-The-importance-of-position-when-forming-your-pre-flop-strategy